短編2
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じいちゃん

友達ん家で一日宅飲みして、家帰って寝てたらじいちゃんが夢に出てきた。

ほんの一時間前。

じいちゃんはとにかく元気で酒が好きだった。正月とかに親戚一同で元気に呑んでいた。

ガンだって申告されてからかなり落ち込んじゃって、食事もほとんど食べる事ができなかった。

お医者さんから夏こえられるかどうかって言われて、結局こえられずに死んじゃった。

余りにも突然で死に目には会えなかったんだけど、安らかな最後だったらしい。

ぶっちゃけた話そんなに悲しくなかった。高校にあがってからあまり会う機会なかったから、実感が湧かなかったんだ。

四十九日になってまた親戚で集まり、じいちゃんの納骨をし、これでもう完全にお別れだな。とか思ってたら、まさか夢で会えるとは。

夢ん中のじいちゃんは白い着物みたいの着て、俺は椅子みたいのに座ってて、俺の隣にも誰か(多分お袋?)居たけど、ずっと俺の方見てて近づいて来るんだ。

「じいちゃんだ…」

とか思いながら来るの待ってたら、なんか今までの、じいちゃんとの思い出がフラッシュバックされて、いつの間にか夢ん中で俺泣いてた。

じいちゃんが目の前まで来て肩をポンッ。ニコッて笑って、

「…またな」

って言われた。そっから俺じいちゃんに、今までありがとうとか、天国でも元気でな、またあっちで呑もうなとか、半ば叫びに近い感じで言ってた。

起きてからも号泣。過去10年間で最大だな。現に今も書きながらちょっと泣いてる。

正直、幽霊だとか神様だとか天国だとか信じてなかったし、このサイトに投稿するほどの事でもないなと思ってる。ただの夢って言ったらそれまでだし。

でも今回の経験でじいちゃん、ちゃんと天国に行けたんだなって思って、目に見えず、存在しているのかさえ解らない世界って奴を信じてみてもいいかなって。

俺が死んだら、またじいちゃんと天国で会いたいしね。

怖い話投稿:ホラーテラー 翔太さん  

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