短編2
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フマレタ

これは十代の頃、俺が兄貴とアパートで二人暮らしをしていた時の話です。

ちょうど夏真っ盛りのお盆の頃だったと思う。

その出来事の日は、夏の熱帯夜で、エアコンは兄貴の部屋しか付いておらず、一階なのだが、仕方がないので窓を少し開けて寝ていたんです。

男の二人暮らしだから変な奴も来ないでしょ とか思って。

その日、深夜寝ていたら突然の金縛り。初めての体験だ。眠いのだが意識はハッキリしていたのは覚えてる。

すると、突然アパートのドアがガチャガチャされ、何者かが部屋に入ろうと、ドアのぶを回している。兄貴は先に寝ているのは確認している。

オイオイちょっと待てよ、誰だよこんな夜中に。すると今度は、少し開けた窓から視線を感じる。

自分はうつぶせの状態で、窓と反対に顔を向けて寝たままの金縛りの状態。

必死に兄貴の名前を叫ぼうとするが、声が出ない。金縛りスゲーと感心。

すると今度は、複数の足音が聞こえてきたんです。

その足音はガシャ、ガチャと何か重そうな物を身に着けた感じだったとわかった。

多分、よくコントか何かで出て来る、落ち武者の様だと思った。俺は目は開いていたのだが、ソレを確認出来ない。

足音が近づいてくる。必死に動こうとするが金縛りも解けない。

近い、複数の足音がすぐそこまで来ている。

次の瞬間、自分の背中に重みを感じた。ハッ?踏まれてる?

しかも何人も。自分の上を行進してる感じ。ソレは軽くも重くもない。自分の上を通過してる。

多分、五〜六人くらいだったと思う。

気が付いたら朝だった。深夜の事はハッキリ覚えてる。

兄貴はまだ寝ている様子。俺は仕事に行く為、玄関に向かう。

その時ハッとした。ドアが開いてる。しかし鍵はかかってある。昨日ちゃんと閉めないで鍵をかけたのか?おそらく奴らの仕業だろう。

とりあえず人間の仕業じゃなくて良かったと、その時思った。お盆の時期になると思い出す出来事です

怖い話投稿:ホラーテラー スガノソラさん  

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