東南アジアのある国
その村では、こんな教えがある。
「地面から生えている手には触ってはいけない。黄泉の国に連れて行かれるから」
内戦が終わり、だいぶ落ち着いてきたころ、その事件は起きた。
学校の校庭に、その「手」が生えていたのだ。
子供達は、怖がって近寄らず、教師である大人達も恐怖で対応策が出せない。
そんな中、この様子を見ていた、この付近の医療活動を行っていたNGOの女性スタッフが、この「手」を掴み、一気に引き抜いた。
「こんな物を恐れる必要はありません。伝説を利用した悪質なイヤガラセです」
ピンッと軽い音がして続いて爆発音。
その「手」を動かすと作動し、爆発するワナだった。
ブービートラップの中でもゾンビートラップと呼ばれる死体を利用したワナ。
地面から生える手は形を変え、今でも恐怖の対象であり続ける。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話