数年前の海で体験した話。
オレとMはクソ寒い冬の海でサーフィンをしてた。
朝早くから幾つもの波に乗ったりのみ込まれたりと気がつけば昼を過ぎていた。
Mと次の波に乗ったら一旦あがろうと話し沖で今日一番のビッグウェーブを待つことにした。
すると突然Mが「でたぁぁぁ!」と叫んだ。
出た?何が?波が「来た」じゃないん!?
驚いてオレが振り返った時にはMはいなかった。
プチパニックで放心状態の矢先、急にサーフボードが海中に引きずり込まれた。
普段から波に急に巻き込まれ洗濯機で回されたようなキリモミ状態になることはあるが今回は違う。
明らかに引きずり込まれている。
無我夢中でサーフボードと足を引き離そうとした時に目に飛び込んできたのは…
『ハンマーシャーク!』
完全にパニック状態。必死に抵抗しながら意識は途切れた。
ドンッ!!
ドンッ!
ドンッ!!
ブッチュー!!
目を開けると鼻水を垂らし泣きながら人口呼吸をするMがいた。
足に着いたサーフボードにはサメの歯形ががっちりついていた。
Mはサメを見た瞬間に波にさらわれキリモミ状態で岸までついたらしい。オレはどうやって助かったか未だに分からない。
サメはサーファーをウミガメと間違って襲ってくるみたいだから懲りもせず波乗りをするオレとMのサーフボードは海蛇模様にしてみた。一安心。
サメにもビビったが、Mの分厚い唇とチクチクする髭の方がトラウマだ。
怖い話投稿:ホラーテラー ラーメンマンさん
作者怖話