短編2
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幽霊マンション

「もう行くぞ!」

急いで階段をあがり上の七階の部屋に住む女の子も誘おうと思ったんだが、ドアをノックしても出てこなかった。

彼女も一緒なら心強いと思ったんだが。

そうこうしているうちに奴らは階段を降り、さっさと車に向かっていく。

急いで俺も階段を降り後部座席に乗り込んだ。

「そう言えばあの幽霊マンションが一番恐かったよな。」

「じゃぁ、幽霊マンション行ってみるか。」

「とりあえず出発するぞ。」

そのマンションには俺は行ったことがない。

どんなとこなんだろう。

車を30分ほど走らせ山を越えてやっとたどり着いたそこは海沿いにあるつぶれたマンション。

このまま車にいようかどうか悩んだが、俺も車を降りた。

どんな幽霊がいるんだろうか。

腰まである草を分けて中に入っていく。

正面から入ったもののエレベーターが使えないため非常階段に向かった。

カン、カン、カン…。

暗やみに響く階段の音。

俺には分かる。ここにはたくさんの幽霊がいる。

三階の非常ドアを開け中に入った。

端の部屋から順番に入っていく。

どの部屋もかび臭く、空気が重い。

至るところが崩壊している。

壁に落書きがあり、天井ははがれ落ちている。

ちょうど真ん中の部屋に入ったときにそれはいた。

俺には見える。

俺はその部屋に入るのを遠慮して一人で最上階に行ってみることにした。

最上階から見る海の景色はきれいだった。

ぼーっとしながら海や夜空を見ているうちにどれくらい時間がたったのかはわからないが車のエンジンの音が聞こえた。

車は行ってしまい俺は取り残された。

奴らは俺をおいて行ってしまった。

仕方がないので最上階のこの部屋に住むことにした。

奴らに憑いていくつもりで今まで住んでたホテルを出たが、置いていかれたんだ。

しょうがない。

今日から俺はここに住む。

そう。この幽霊マンションに。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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