短編2
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お友達になりましょう

今から40年前。自分は中学生。

その頃の女の子達は仲良し同志でお弁当を一緒に食べたり、トイレ迄一緒に行く風潮があった。

自分はマイペース人間で、休み時間は太宰やゲーテ、ラーマーヤナを夢中で読んでいた。

自分が気ままに休憩時間を楽しんでいるのに、ある日クラスメイトの女の子から手紙。

「貴方は孤独ね。私も孤独なの。孤独な者同士お友達になりましょう」

ウットオシイ、と思った自分、すぐ「自分は好きな様にやってるんで構わないで下さい」とお友達拒否宣言。

だけど、降るように送られる便箋にビッシリの手紙。そして行く先々に自分を見ている彼女の影。

無視していたら「貴方が私に答えないのは何かに圧力を受けているから。私達この世を救うべく○○の命を受けてうんぬんかんぬん」

その頃、時を同じくして自分の上履きに詰められる泥やガラス片。

早朝張り込みで誰がやるのかを確認。案の定、彼女の仕業。

泥バケツと軍手で「私じゃない!」と泣きじゃくる彼女。

生徒玄関に駆け付ける先生に連れられて私達は校長室へ。

私達の言い分をそれぞれ聞いて、校長曰く、

「仲良くしなきゃいけません。ケンカ両成敗です。さあ、二人共握手して。

…貴方も意地を張らないで、お弁当ぐらい一緒に食べると良いのですよ」

その時の握手した時の感触、パサパサに乾いた掌(てのひら)、まるで蛇と握手してるみたいだ、と思ったのが忘れられない。

その直後、彼女の家から出火。彼女は直ぐ何処かへ引っ越してしまった。

ホッとした。

先日、彼女の姿を同窓会で見掛けてしまい、当時の恐怖が甦ったので記念カキコ。

「あら、お懐かしい、また前の様に仲良くしたいわ」と笑っていた。

怖い話投稿:ホラーテラー ROLLYさん  

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