短編2
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むやみに

数年前体験した話

私の家は古いわけでも新しいわけでもない普通の一軒家だ。

ただたまに怪奇現象がおこる。

怪奇現象といっても母が廊下を走っている子供の影をみたり、熱をだした時にオルゴールが必ず鳴ったり(励ましているのであってほしいが)、金縛りにたまにあうといったような特に害のあるものではなかったから特に気にしてはいなかった。霊感もあるわけではないし。

確かその日は夜、心霊番組をやっていてお風呂に入っていなかった私は少し怖がりながらも浴槽につかった。

心霊番組を嫌でも思いだしながらふと、あることを考える

(本当に幽霊など存在するのだろうか)

多分この事は誰しもが考えうることであろうし、いくら幽霊を信じている私でも、いくら怪奇現象がおこってもこの目ではまだ見たことがないのだ幽霊という存在を。

だんだんその考えにおしつぶされそうになってきて私はぽつりと

「いるならでてきてみろよ」

そうこぼした

特に何もおこらない

何だかむなしくなり風呂場をあとにする。

扉をしめたその時だった

ガラン!と

私はとっさに扉をあける

風呂場の物、棚までもが全部下におちていた

勿論扉は優しくしめた

裸のまま呆然としていると姉の部屋から悲鳴が

とっさにタオルをまいて駆けつけると姉が手にカミソリをもっている

「なんかいきなり降ってきた、、、」

多分私のせいなんてことも言えず、とりあえず二人で落ち着いた。

その日の夜は金縛りにあいつつやっと眠れたと思ったら夢の中で大事にしている人形に鼻で笑われた。

今でも怪奇現象はおこるけれども相変わらず害はない。けれど私はあの日以来むやみにああいう発言はやめようと思った

皆さんも気をつけて

怖い話投稿:ホラーテラー Pさん  

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