短編2
  • 表示切替
  • 使い方

ゴミ箱

近所のリサイクルショップで、やけにスタイリッシュなゴミ箱を見つけたので、安いこともあり音響機器と一緒に買った。

部屋に置いてるとなんともスタイリッシュで、ゴミ箱がインテリアみたいになって満足したわけだが、ある日の夜、寝ていたらどこからかカタカタと音がしだした。何だ何だと耳を済ませると、あのスタイリッシュなゴミ箱だった。中には寝る前に捨てたビール缶にポテチの袋のみ。音が鳴るようなものはない。

結局その夜はそれで終わったんだが、次の日の夜、またカタカタとあのスタイリッシュなゴミ箱から音が聞こえた。今度は全然鳴り止む気配がない。俺はスタイリッシュなゴミ箱をガン見していたら、手のようなものが出てきた

ような気がした。

ゾッとしたが、暗いし見間違いだろうと思ってその夜は寝た。

それからというもの、毎晩欠かさずスタイリッシュなゴミ箱が音を奏でる。心なしか音が大きくなってるような気もするし、朝起きたらスタイリッシュなゴミ箱が部屋のすみから俺のベッドに近づいてるような気もする。

さすがに気味が悪いので、そのスタイリッシュなゴミ箱を近くに住む友人の家の前に置いてみた。

翌朝、そのスタイリッシュなゴミ箱はなくなっていた。

会社でも一緒だし、合コンでも一緒になることは多いのだが、そのスタイリッシュなゴミ箱の話題はあがらない。

結局、俺の部屋には地味なゴミ箱が置かれたのだが、別のリサイクルショップにかなりダイナミックなゴミ箱があったので、少し悩んだがあのスタイリッシュなゴミ箱より安かったこともあり、購入した。

インテリア性は薄くなったが、毎晩気味の悪い音を聞かなくてすむ分にはずっとあのスタイリッシュなゴミ箱よりスタイリッシュだと思う。

今でもあのスタイリッシュなゴミ箱から出た手を思い出すんだが、今思ってもかなり気味悪い。

怖い話投稿:ホラーテラー 特命係長さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ