短編1
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生き霊

今から3年くらい前、生き霊を見た。

ちなみに私は普段から幽霊を見たりはしないんで、特に霊感は無い、はず。

当時の彼氏の家にいた時、なにかの用事で台所に向かい、壁にある電気のスイッチを押した瞬間だった。

天井の電気が点きチカチカッ、と瞬いたその時に、テーブルの下に女がいた。

茶髪で肩より少し短めの髪。白い上着。

薄くグレーがかった影というか輪郭だった。

顔立ちもうっすらとだが見えた。

でも「それ」は、電気のまたたきがおさまるまでのわずか一秒足らずの間に消え失せた。

私はびっくりするより、疲れて幻覚でも見たのかな?くらいにしか思ってなかったから、彼氏にも言わなかった。

だが、後日ひょんな事からこのテーブル下の女と実際に会う事になった…!

実は当時の彼氏が私ともう一人の女を二股にかけていて、彼女はそのもう一人だった。

この日まで二股の事や生き霊の彼女の存在すら知らなかったのは私だけで、向こうはこちらの存在を知っていたらしい。

彼女は数日前テーブル下にいた女の通りの見た目で驚いた。

だけど、嫉妬の念で実際に生き霊になるとは……

人の念って怖い。

怖い話投稿:ホラーテラー 円さん  

Concrete
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