短編2
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白いスーツ

私が中1のとき、卒業を控えた高校三年の姉が泣きじゃくって帰宅した。

「アケミちゃんの彼氏が死んじゃった!」

母が落ち着かせながら話を聞き出すと、

踏切で動かなくなった車から降りたところ、電車に轢かれてしまったらしい。

アケミちゃんは姉のクラスメイトで、子供ながらに綺麗な人だなぁと思っていた。

一見取っ付きにくい美人だったが、家にくると私をからかったり母に冗談を言ったり、気さくで親しみ安かった。

アケミちゃんには二歳年上の社会人の彼氏がいて、親公認、結婚前提。

母子家庭だったアケミちゃんちに婿に入ることまで決まっていた。

もうすぐ卒業、就職も決まっており、アケミちゃんには彼氏との結婚に向けた新しい生活が待っているはずだった。

その日、日曜日。

デートの迎えに現れた彼氏は、上下真っ白なスーツを着ていた。

玄関先で出迎えたアケミちゃんも母親もびっくり。

デートはラーメンかトンカツ、Gパンすらきつくて嫌がり、ジャージばかりの彼氏だったのだ。

「どしても欲しくてどしても着たかった」

びっくりはしたが、「結婚式の予行練習」などと三人で笑った。

おかしな事はドライブ中にもあった。

運転する彼氏がやたらドアミラーを気にする。

「何かひっかかってる」「白いのがヒラヒラ」

二度も停車してまで右後部を確かめに行った。

山あいの小さな町。舞始めた雪のせいにしたアケミちゃんだったが、胸騒ぎがした。

悲劇は、アケミちゃんを家に送り届け、彼氏一人の帰り道、当時、遮断機がなかった踏切で起きた。

その踏切は、彼氏がまず使わない道にあった。

田舎のヤンキーもどき、セドリックのシャコタン。

農道があったり段差も多い道のため、「ケツこするし、石跳ねたりするし」と嫌っていた。

国道がよほど混んでいて、迂回しようとしたのか?

日曜の夜9時、田舎の道路は、点滅信号になるくらいのまばらな交通量。

なぜ、あんなところで…!事故の連絡を受けたとき、アケミちゃんはそう思った。

すみません一度切ります。

怖い話投稿:ホラーテラー はるみさん  

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