中編3
  • 表示切替
  • 使い方

ネオコスモス団事件

おそらく、ほとんどの方が聞き覚えのない事件だと思います。

これはあまりにも忌まわしい事件ですので、こうやってホラー感覚で投稿するのは気が引けたのですが、どうしてもこうやって文字にして残さないと気が済まないので投稿致しました。

事の始まりは2009年の6、7月頃でしたでしょうか。私がまだ大手SNSサイトGR○Eに登録していたときの話です。

ある時私の元にSNS機能を通して一通のメールが届きました。そのメールには

「私と一緒に新しい世界を創造しませんか?」

とあった。

常識的に考えればアホみたいなことだが、その時の私は資格試験のための勉強からも解放され、非常に暇をもてあましていたので、興味本位で返信してしまった。

メールを送ってきたのはVと名乗る人物で、超能力者を自称していた。自分には人を操る力があると豪語していた。

私はバカバカしいと思う一方で、このVという人物がなにか凄いことをしでかしてくれるのではないかという子ども染みた期待感を彼(彼女)に対して持っていたことは事実だと思う。

Vは、そのカリスマ性ゆえか、次々と自らに惹かれる人々を集め、ついには「ネオコスモス団」という集団を結成した。私は古参だったせいか、幹部に任命された。そして、ついにはGR○Eから飛び出し、ホームページまで作りだした。

ネオコスモス団のホームページの項目には、ネオコスモス団の理念があった。そこには、

人類の革新によって、新世界を創造する

と載ってあった。

その後もネオコスモス団は拡大を続け、ついに団員数は1000人を突破するまでになった。私は行ったことはないが、バーチャルではなく現実の世界での団員同士のコンタクトも頻繁にあったらしい。虚像が現実になったとでも言うべきか。

ネオコスモス団の勢いをとどまることを知らず、ついには結成集会を現実世界で開催したようであった。しかしその理念・目的は、人類の革新、新世界の創造、という漠然としたもののままであった。私は次第にネオコスモス団という集団が、教組であるVを崇拝するためだけのカルトなのではないかと思えてきた。その疑念から湧きあがる恐怖から逃れるため、私はネオコスモス団を脱退した。

それからしばらくたって、私はふと「ネオコスモス団」という単語でGoogle検索してみることにした。

ネオコスモス団のホームページはあとかたもなく消滅していた。

しかし、一件だけ「ネオコスモス団」という単語がヒットするブログ(?)があった。たぶん、今でもGoogle検索すればそのブログが出てくると思う。

そのブログをのぞいてみると、どうやらそのブログはネオコスモス団の元団員によって書かれたブログであることがわかった。しかしネオコスモス団について書かれていることはそう多くなかった。

だが、ひとつだけ、たったひとつだけ、私を驚愕させることが書いてあった。

それが私の口から語られることはないだろう。知りたければ、勝手に自分たちで調べて欲しい。だけど、これだけは前もって言っておく。

これは洒落にならない話だ。もしネオコスモス団とそのリーダーVについて調べるのなら、真実を知る覚悟を持ってくれ。

私が文字として残したいことは以上だ。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ