中編3
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扉の向こうに

今から3年くらい前の話です。

私は当時フリーターで、バイトしながら大学入試の為に勉強をしていました。

その日は夜の10時までバイトをして、アパートに着いたのは10時半過ぎでした(因みに私は独り暮らしです)。

健康ランドでバイトしていたので、お風呂はいつも仕事先で済ませていました(しかも従業員はタダで入れる!)。そのため、夕食を食べてすぐに机に向かい勉強を始めました。

一段落し、時計を見ると3時少し前でした。私はそろそろ寝ようと思い、歯を磨きながら何気無く玄関の戸締まりを確認すると、鍵がかかっていないことに気づきました。

「あ、うっかりしてたな。疲れてるのかな」などと思いながら、つまみを回して鍵をかけた瞬間

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ!!!!!

と激しくドアノブを回されました。

私はあまりの突然の出来事に、恐怖「ひっ」と声が出て、尻もちをついてしまいました。心臓の鼓動が一気に早くなり、呼吸も思うようにできません。

こんな夜中に誰が!? どうして鍵を閉めた途端に!? ずっと息を潜めて玄関の前に立っていたの!?

私は震えながらパニックに陥っていました。一刻も早く玄関先から離れたいのですが、あまり恐怖のため動けないのです。

どの位の時間が経ったでしょうか。ドアの向こうからはあれ以来何の音もも聞こえません。まだドアの向こうに誰がいるのか?それとも既に立ち去ったのか?考えても結論はでませんでしたが、私は勇気を振り絞って立ち上がり、机の上にあった携帯で警察に通報しました。

家の中を荒らされた等の被害があったわけではありませんでしたが、私のあまりの怯え方を察してか、警察の方がこちらに来てくれることになりました(警察は実害が無いと動いてくれないとよく聞きますが、そんなことはありませんでした)。

しばらく待っていると窓から赤いパトカーのランプが見え、インターホンが鳴りました。私は一瞬、「もしかしたらドアノブを回してきた人かもしれない」と思い、玄関に行くのに躊躇しましたが、男性の声で「警察です。○○さん、大丈夫です、開けてください!」と声がしたので、恐る恐る除き穴を覗くと、中年の警察官ともう一人若い警察官が立っているのが見えました。

私がドアを開けると、中年の警察官の方が「もう大丈夫ですよ」と言ってくれました。私は恐怖から解放された安心感からか思わず泣いてしまいました。その後、パトカーで私の実家(同じ市内にあります)に送ってもらいました。

別れ際に、若い方の警察官が「また何かあったらすぐに電話してください。」と言ってくれたので、私はまた泣きそうになってしまいました。

しかし結局あれ以来、何も起こることは無く、私は大学に通うため違う県に引っ越しました。

あの夜の出来事はなんだったのでしょうか?ただのいたずらなのでしょうか?しかし、たったそれだけの為に、いつ鍵の掛かるかわからないドアの前で夜中に何時間も息を潜めて待ち続けるなんて…。私は今でも夜中に玄関に近づく事ができません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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