短編2
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後輩

僕と以前仕事を一緒にしていた後輩が、子連れの奥さんとやっちまった結婚をし、実家暮らしから世帯アパートに暮らした。

彼は2年程前に職場を辞めたが、たまに彼と会い飯を食べたりして交遊を続けていた

彼が口を開いた

あき(奥さんの連れ子。3才)が、変なんだよな…と、呟く。

どした?と聞くと

「あきが、家で名前呼ぶんだよ。『りこちゃん』って」

嫁の名前でも、まして彼の名前でもない

「でな、『りこちゃん!今日何して遊ぼーか!?』って会話してんだよ。俺も嫁もそんな子いないよって言うんだけど、『いるもん!りこちゃん今ここにいるもん!』って言い張るんだよ」

これだけでは無いという

蛍光灯のひもを引っ張る訳でなく、光が落ちる

一家茶の間に居ると、台所で明らかに皿が重なりぶつかる音がする

りこちゃんがやってるのかな?と僕が言うと、彼は心当たりがあるという

嫁さんには、前夫との間に、あきちゃんの前に生まれるはずの赤ちゃんがいたという。

「ただ、そこのアパートに引っ越す前には、あきちゃんは『りこちゃん』と言わなかったから、引っかかるけど」と彼。続けて

「もう一つ。あきさ、寝る時怯えるんだよ。『見られてる』って。りこちゃんかい?って聞くと、『知らないおじさんとおばさんが私を睨んでるの』ってさ」

それって

嫁さんの子供じゃなくて…

「まぁ、いいや!飯食おうぜ!」と、彼から話を切られてしまった

今も彼はそのアパートに嫁と娘とで3人で住んでいる

ただ、本当は…

怖い話投稿:ホラーテラー 雪だるまの兄さん  

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