最近のスーパーは、夜遅くまで開いている所が多い。俺のバイト先の大型スーパーも御多分に漏れず、夜11:00まで営業。よって、帰路に就くのは12:00近くなる。
田舎の夜道は暗い。街灯もろくに無く、頼るは自転車のライトのみ。本当はペダルが重くなるので点けたくはないんだが、背に腹は代えられない。
この時間には行き交う車の姿は無く、安全っちゃあ安全なんだが。
鼻歌交じりに漕いでいた自転車のライトが、何かを映し出す。一匹の猫だ。
俺の前方、道のほとりを、まるで俺を先導するように必死に走っていた。
俺は、その健気な後ろ姿にちょっとした悪戯心が湧いた。自転車の速度を上げ、煽った。
「猫ちゃーん、カンバレー、じゃないと轢いちゃうぞー」
接近してみると、なんとなく違和感。そのまま抜き去ることにしたのだが、それを追い越す瞬間、俺は見た。
猫の後ろ半分だけが、臓器を垂らしながら疾走している姿を。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話