短編2
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窓拭き

私は、ビルの窓を拭く仕事をしています。

高いビルでも、外で宙吊りになった状態で仕事をしています。

そんな僕が体験した話です。

会社に出勤し、その日の仕事を確認していました。

その日は、田舎の知らないビルの仕事が入っていました。

車で、かなりの時間を掛けて、同僚と二人でそのビルに行きました。

ビルは、汚く、ボロボロの状態でした。

いつものように、屋上から紐をつけて降りました。最上階には、誰もいなく不気味な雰囲気でしたが、その下の階は会社のようで、普通に仕事をしていました。

その中をチラチラ見ながら窓を拭いていると、中のOLの人と目があってしまいました。

恥ずかしくなりましたが、そのOLの方は微笑みながら会釈してくれました。

そこから、最後まで仕事を終え、同僚が運転する車で帰っていた時、同僚と話をしていました。

同僚「あのビル気味悪かったな」

私「そうだな」

同僚「誰もいなかったし、廃墟だろ(笑」

私「でも、最上階から一個下の階だけ会社入ってたよな」

同僚「いや、誰もいなかったぞ」

私「いやいや、お前も隣にいたんだから見ただろ」

同僚「いや、いなかったって!」

私は同僚が嘘を言っているようには思えず、もう一度ビルを確認しようと後ろを見ました。

後ろを見た瞬間、後部席に乗っていたさっきのOLと目が合いました。

そっからは記憶が無く、私が寝たと勘違いした同僚は何も知らずに会社に戻ったそうです。

次の日わかったのですが、あのビルは廃墟で、依頼人は不明でした。

しかし、しっかり入金はされていました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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