犠牲

政府の借金はすべて将来世代の税負担となります。消費税率を引き上げると選挙に負ける恐れがあるのか、政治家は増税には非常に慎重です。

その一方で、高齢化の下での社会保障費の削減は難しく、相変わらず巨額の赤字となっています。後期高齢者の医療制度は大きな批判を受けて見直しに入りましたが、高齢者の医療費が若者の何倍にもなる大きな額であり、高齢者の医療サービスを手厚くするほど、将来世代への負担も重くなる恐れがあるのです。

将来世代とは今の若者であり、あるいはまだ生まれていない人たちも入っているかもしれません。将来世代の人たちは、ほとんどいまの政治決定プロセスに参加していません。一方、高齢者は積極的に政治に参加しています。投票所にも足を運びますし、政治家も高齢者の意向を無視することはできません。今後、少子高齢化が進めば、政治決定の中に占める高齢者のウェイトはさらに高くなっていきます。

年配の人たちを尊重することは大切です。ただ、若い世代やまだ生まれていない世代は政治的な声をほとんど持ち得ないなかで、重いツケが押しつけられることでよいのかよく考えてみる必要があります。

怖い話投稿：ホラーテラー　匿名さん