中編3
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捨て猫との約束

全く怖くありませんが、高校の頃に実際にあった話です。

当時、私は夜間高校に行っており昼間は働き、夜は学校という生活を送ってました。

夜間高校はいろんな方達がいて老夫婦で勉強をする方もいました。

正直、二度と味わえない学校生活であったのは夜間高校を行った方なら分かると思います。

そんな夜間高校もテストがあり中間テストや期末テストはありました。

最初はテストという言葉にみんなブーイング。

そんなブーイングに私もいました。

なにしろ昼間働き夜は学校でそれに問題児の集まりです。

ところが、夜間高校はテストのやり方が違うのです。

ほら、テスト前には必ずまとめプリントがありませんか?

この問題をやればテスト当日は大丈夫というまとめプリント。

そのまとめプリントを渋々、見ながらテスト当日を迎えると、同じプリントが配られるのです。

正直、目が仰天!なんだこれは?答えが解るじゃないか?とシャープペンを握る手が止まらずスラスラ書けるのです。

これを読んでいる方は馬鹿にはちょうどいい。

と思ってしまうかもしれませんが、私は、これこそ教育じゃないかと思います。

ただ、勉強を教えるだけでなく、どうしたらこの問題児にやる気を起こさせるか、それがこのやり方に伝わってきます。

入学当時は近寄りがたい不良みたいな人も卒業の四年後は普通になってました。

そんな意味である意味ここの先生方は凄いと思います。

体育の先生は私達クラス全員をラーメン屋でご馳走してくれた時もありました。

しかし中には辞めてく人もいましたが勉強が楽しくなりライバルが出来た事は私だけではありません。

そんな生活を送ってました、ある夏の事です中間テストが近づく間近に学校から帰ると、母親が一匹の小さな子猫を拾ってきました。

初めて近くでみるその子猫は道に迷っていた所を母親が犬の散歩中に見つけたそうです。

白くて身体の所々に茶色の毛も混じってました。

小さなその足はヨチヨチと歩きながら、家の中を運動会のように駆け回ってました。

凄い可愛いし癒されるその子猫を母親と一緒にミキと名前を付けました。

何故、ミキと付けたのか正直、忘れました。

しかし私は中間テストが近づいてます。

ライバルもいる為、そいつには負けたくないその競争心から、あまりミキとは遊べませんでした。

いや、遊ぼうと思えば遊べました。

しかし私の頭の中はテストでいっぱいでした。

テストが終わったら遊ぼうとミキと約束するかのように言い聞かせました。

ミキは解ったかのようにニャーンと小さく泣きました。

一人で部屋で勉強してました。

朝起きればミキが私の横で寝ていたのもあったそうです。

テストは僅か一週間後ぐらいで始まる、まさに時間がない状態でした。

しかし、今思えば本当にその決断は後悔してます。

テストが終わり、その晩学校から急いで帰りました。

子猫と遊びたい気持ちでした。

自転車をおもいっきり漕いで、尻尾に火が付いた兎のようにダッシュで帰りました。

家へ帰ると夜9時を少し回った頃でした。

母親は少し悲しい顔をして私にミキが死んだ事を話してくれました。

頭が本当に真っ白になり、現実を受け止めたくない気持ちから全く動かないミキを見つめました。

目頭が熱くなり涙が止まりませんでした。

手足と頭はもう固くなり冷たく身体に変わろうとしてました。

原因は分かりませんが母親がいうにはミルクを飲んでいる最中に突然、倒れ込み、そのまま動かなくなったそうです。

この事を先に知ってればうんと遊んでいたのは確かです。

翌日、私は仕事を休み、母親と一緒に動物火葬場へ行きました。

火葬場の方にミキを渡して最後のお別れをしてその場を去りました。

抜け殻状態でもっと遊んでやればよかったと後悔で一日が過ぎて行きました。

しかし、それからミキが亡くなって三日後だったと思いますが、ミキの夢を見ました。

高い高い神社の階段をミキが先に走り私を誘導するのです。

そして頂上に着いておさい銭をする時にミキが小さな声でニャーンと泣いたのです。

そこで目が覚めましたが、元気の無い私を励ましてくれたのかなと今、思えばそんな気がしました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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