短編1
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親子の幽霊

今から25年くらい前のこと。友人の中でも いの一番に車の免許を取得したヤツが居た。

その友人が免許を取得して何日か経った夜中 たしか1時くらいだったと思う。父親の車を乗り出して どこか適当に流しに行こうと私の家にやって来た。

そして一時間くらい適当にドライブをして ある線路沿いの道を走っていると友人が「何あれ?」と言うので 私は友人の指差す方へ視線を向けた。

すると線路の向こう側の畑の中にぼんやりと 親子連れの影が見えた。

「こんな夜中に変だな」と車を徐行させて見ていると その親子がまるで水の上を滑るような感覚でこちらに近づいて来た。

2人で「うわ~っ!」と絶叫して 車を出すことも忘れ固まっていると 線路の上まで来たところで親子は消えた。

母親と娘だったと思う。

当時は若かったこともあり しばらくはその話しで仲間うちで盛り上がっていたのを覚えている。

そしてつい先日 私は従兄弟と出掛けた帰りに その線路沿いの道を通った。やはり夜中の1時近かったのだが 助手席の従兄弟が「今 線路の上に母親と子供が立ってるのが見えた」と突然言ったので 私は当時の記憶がいっきに蘇った。

従兄弟は私と年齢がひと回り以上違うので 当時のことはまるで知らない。

私は「あの親子は未だにさ迷っているのか…」と少し切ない気持ちになった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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