いわくのない部屋~石砂編~

中編3
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いわくのない部屋~石砂編~

俺は、人殺しだ。

昨日、この部屋で少女の首を絞めた。

そいつは、俺と付き合っていた奴の子供だ。そいつが俺を振ったから、俺はあいつに復讐をしてやったんだ。

俺はあいつに復讐する機会をずっと探していた。あいつは気丈な女だ。だから、一番酷い復讐をしてやった。

少女の死体は俺の部屋にある。今は混乱しているが、そのうちどこかに隠すつもりだ。

ーーーーーー

今年も、夏がやって来た。嫌な季節だ。

このアパートは、排水の問題で夏は臭くなる。だからその分、家賃が安いのだ。

だからか知らないが、ここには怖い奴らが住んでいる。

明らかに金に困っているキャバ嬢や、暴力団っぽい人達、家に引きこもっているような人達である。

俺がこの生活に甘んじているのは、俺も訳ありだからだ。

俺は、昔人を殺した。

その後からだ。俺が所謂「幽霊」を見るようになったのは。

俺の住むこの部屋には、俺が殺した奴がついている。だから、そいつに対する償いのつもりで、ここに住んでいるのだ。

だが、事情が変わった。俺に彼女ができたのだ。

彼女は、俺の過去も受け入れてくれる優しい子だった。だから、この臭い部屋につれてくる訳にはいかないのだ!

そして、俺は管理人に部屋が臭いので修理をしてもいいかどうか許可をとりにいった。

管理人さんはいい人なので二つ返事でOKしてくれた。

その日の夜、俺は襲われた。

部屋で誰かに首を絞められたのだ。俺の抵抗も空しく、力は増していく。

「ああ、死ぬんだな。」

俺の目の前を走馬灯がよぎる。

俺は昔、ニートだった。そして俺に働けと言ってくる親を刺し殺したのだ。ごめんなさい、母ちゃん。ごめんなさい、父ちゃん。

そのとき、扉が開いた。

俺がみたのは彼女と管理人。そこで意識を失った。

ーーーーーー

俺は目を覚ました。俺の隣にいたのは、彼女だった。彼女は涙を浮かべながら、俺に言う。

「大丈夫?」

俺は答える。

「ごめんな。心配かけて、ごめん。」

そのあと、俺は彼女から事情を聞いた。

俺の首を絞めたのは、管理人だった。彼女に見つかった管理人は、彼女に襲いかかったが、そこを通りかかった人に見つかって取り押さえられたという。

警察に捕まった管理人は、驚きの事実をはなした。なんと管理人は少女の死体を各部屋に隠していた。(ちなみに俺の部屋は右手らしい)

死後3~4年経ったその死体は、腐っていて酷かったという。

今回は、親が俺を助けてくれたんだと思う。だって、走馬灯の最後にみたのは、2人の笑顔だから。

本当にごめんなさい。父ちゃん、母ちゃん。

俺は、最低の人間だ。だから、これからも生きていく。そして、幸せになるよ。2人に救われた命を抱いて。

俺は眠りについた。夢には父ちゃんと母ちゃんが笑顔で立っていた。

その日、アパートで火事がおこり、29才の男性が亡くなった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。長文、駄文をお許しください。

怖い話投稿:ホラーテラー 石砂さん  

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