短編2
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始めに言っておくが、これは心霊とかオカルトとかそう言う話じゃあない。

興味のない人はスルーしてもらっても構わない。

これは本当に有った話と言うより、本当の話と言った方がいいかもしれない。

何故ならこの話は過去では無く今現在も進行中の話だから。

皆は食物連鎖と言う言葉を知っていると思う。

昆虫は植物や同じ昆虫を食べ、その昆虫をネズミや小動物が食べる。

そして、その小動物を更に大きな動物が食べその動物も死んでしまえば、昆虫やバクテリアに分解され植物の養分となる。

これは地球の生命の始まりより繰り返されて来た厳然たる事実。

その食物連鎖の頂点とされる人間もその例外ではない。

人間は野菜や肉等を食べそれが細胞となり人間の形を形成している。

しかし、いくら食物連鎖の頂点と言っても、死ぬ事は避けられない。

死んでしまえば、その体も例外無く食物連鎖の中に組み込まれて行く。

さてその食物連鎖に視点を置いて見ると我々の身体、言い換えると細胞は少なくとも2回は蟻の身体を通過していると言う現実がある。

そう、あの小さくちょろちょろ歩き回る蟻である。

私達の身体は食物連鎖と言うシステムの中であの小さな蟻の身体を2度も通ってこの世に生きている。

これは事実である。

おおよそ信じられない様な話だが僕は、その事をリアルに想像するとどうにも恐ろしくなる。

あの蟻の小さな身体を通過する。

静かに啄まれる身体そこに意識は無い…

それがまた恐ろしい…

怖い話投稿:ホラーテラー かつをさん  

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