短編2
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蛇壷

うろ覚えだが、まだ幼稚園に通いはじめたばかりの頃の話だ。

当時、身体が弱かった俺は、幼稚園を休みがちで、あまり外には出ない子供だった。

だから友達も少なく、たまにある体調の良い日は1人遊びをして時間を潰していた。

そんな、夏のある日の事だ。

俺が珍しく外にでて1人で蟻の行列を追っていると、不意に家の垣根に目が行った。

遠目で見ると家を囲むようにコンクリートで作られた垣根は、いつもなら無機質な灰色なだけなのに、その日は何故か垣根の上から下まで、一文字に白線が引いてあった。

今なら、だからどうしたって感じだが、当時身体が弱い割には好奇心旺盛だった俺は、気になって近付いていった。

そしたらさ、一メートルぐらいまで近づいたら、いきなり白線がぐにゃりとまがって、蛇行しながら、地面に落ちたんだ。

それに驚いて俺が固まっていると、白線が首をあげてこちらを見てきた。

ここで、白線の正体が異常に長い白蛇だった事に気付いたんだが、そうしたら無性に怖くなって、頭が真っ白になった……

その後何をしたのかは覚えてないが、ただ一つだけ覚えているのは蛇ににらまれ続けた事。

気付いた時は、何処からか拾ってきた無数の小瓶に白蛇を切り刻んでぶちこんでいた。

…ちなみに、その時は、訳がわからなくて逃げ出したが、翌日見たら小瓶ごと蛇は消えてた。

あれは、なんだったんだろうか…

怖い話投稿:ホラーテラー とある夏場の鳥頭さん  

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