中編3
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抱き合うマネキン

13年前。18歳の春。

故郷の岩手の高校を卒業して

間もないある日の夜。就職も決めず、北三陸の田舎町でブラブラしてた私は、近所のバイト友達と夜中のドライブへよく行っていた。

その日もいつもの暇潰しドライブだった。私達は近所なので帰る方向は同じ。

川沿いにあるこの堤防を通れば、お互いの家にもう少しで到着…という時だった。その真っ直ぐな堤防沿いには、学校や民家も少しはあるものの、反対側には川しかなく、昼間は学生の通学路として人通りはあるが、町外れで、夜中に通るのは自分達のような夜遊び族位である。

おまけに車がすれ違う為には、どちらの車も徐行するか一時停止が必要な道幅しかない。

だがその日の夜、そんな、狭くて寂しい堤防の暗闇を照らす車のヘッドライトの先に人影が見えた。

「堤防に誰か居るよ~…」

時刻は夜中の2時過ぎ。真っ暗な堤防。おまけに小雨も降っていて、

(…近所の人か、ヤンキーのお喋りか……)

とか短い間になんとなく考えていた。

やがて車が近付くにつれて、ヘッドライトが鮮明に姿を写し始めると私と友達は同時に思った。

「何アレ?」

………ど田舎の暗闇の堤防で誰かと誰かが抱きあっている様子…

私達に背を向けて立っている後ろ姿は、レトロなワンピースの女性(昔のアイドルみたい形の)、その人の腰や首に手を回すのはやや背の高い人……キスをしているようにも見えた。

(えぇ、…不倫とかかな?!!)18歳の私は心の中で呟いた…こういうのはテレビでしか見た事ない!!

堤防のやや真ん中近くに立つ二人は、車を避ける気配がは全く無く、ますます驚いた…運転している友達はゆっくり徐行しながらカップルの横を通り過ぎようとしていた。にも関わらず、一向にビタ1mmすら動かず、更に雨も降っているのに濡れている感じでもなく。

……………私は二人の様子に気味が悪いと思っていた。

そしていよいよ二人の横を通過する時、友達と私、勿論、ゆっくり走りながらガン見した。車の窓越しに。

マネキン

マネキンという言葉以外当てはめられない見た目、マネキン……抱きあっているマネキン。この不気味さを説明したいけどそれしかない、蝋人形とも言える…でも蝋人形の方がまだマシ、人間らしい曲線や肉体的な感じが無いというか。

13年過ぎた今もあの不気味さが蘇る…目はまっ黒なまん丸、二人とも見開いたままどっか見てる、ちょっと笑ってる表情、肌はプラスチックみたいにテロンとして真っ白……腕の曲がり方とか不自然で、髪は肩より少し長い女は男性の胸にやや顔を埋めてお互いちょい触れたまま。

マネキンとか蝋人形みたいに固まってて半袖のワンピースの女性の相手とみられるもう一人も、スーツ姿の背の高い男性で、昭和のデパートによくあるリアルな作りのマネキンみたい…

何よりずっと動いていない様子…何だこれ

ヤバい物を見てしまった、いや、それとも少し離れたゴミ集積所に置こうとしたマネキンか?心臓がドキドキしていた。

「何アレ何アレ何アレ何アレ

ヤバいヤバいヤバいヤバい

怖い怖い怖い怖い怖い怖い」

束の間の車内で友達とウォーっとなった。振り返って、私は見続けたが、遠ざかるまで微動だに動いていなかった。

翌日、丑三つ時にすぐそこの堤防でマネキンみたいなカップルが抱きあっていた、ヤバい物を見たかもしれないと母親に報告するも、軽く流され、昼間車で見に行ったが勿論何も無く。

追記

後にも先にも、あれ以来あの道ではあのマネキンカップルは見ないんだけど、実話なんですが、マネキンカップル見たと言っても寒い人扱いされるので、誰か他にも見た事ありますか?それともああいうのが幽霊ってやつなんてしょうか、(まともに考えれば、精神を病んだカップル……でしょとも言われましたが)、あんなにハッキリ友達と見れちゃう感じなんでしょうか…未だに思い出すと怖いです

暗闇に青白く浮かびあがっていた気もします、下手な文章すみませんでした

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