短編2
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見えない人

私が小学生の時、家には「誰か」がいました

その「誰か」は私以外には見えないようで、暇があれば私はその人と遊んでいました

その人はたまに缶入りドロップをくれて、私はその人が大好きでした

喧嘩した日はいつもその人に相談していた記憶があります

その人は男の人だったような気がします

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その人は父が傍を通ると、いつも父を睨み付けて、何かをぶつぶつ呟き、決まって後から私に言いました

「〇〇(私の名前)はあんなお父さんでも好き?」

私はいつも頷いていました。するとその人はいつも罰が悪そうな顔をして、ドロップをくれました

幼心に私は、何故あの人が父を目の敵にするのか、真剣に考えていました

しかし、むこうはその人が見えていないようですし、私が一人で遊んでいると思っていました

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ある日、また私がその人と遊んでいると、父はむしゃくしゃしていたのか、私の目の前の壁を蹴り

「少しは一人遊びも止めろ!」

と怒鳴り、階段を降りていきました

その人を見ると、父の足が目に当たったのか、目から血が出ていました

私はその時、怒鳴られた悲しさやら、その人の怪我を見た怖さやらで、大声で泣きました

「大丈夫。大丈夫だからね、〇〇」

その人は私の頭を撫でたあと、父の名前を呟き、

「〇〇を泣かせた罰だ。俺と同じ目に遭えばいい」

と低い声で唸るように呟き、私に笑いかけて缶入りドロップをくれました

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次の日でした。私の父が病院に運ばれたのは

原因は眼球の破壊でした

その出来事以来、その人が現れることはなくなりました

けれど今も不思議なことは、教えてもらった筈のその人の名前が思い出せない事です

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