短編2
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夜の学校にて

あれは、俺が小学6年生の頃だった。

習いごとのサッカーが終わり、時間は午後8時を過ぎた。

俺たちはいつも通り、俺、友人A、友人Bと一緒に3人で帰っていた。

いつもどおりのはずだった。何一つ変わらないはずだった。

あの事に気づくまでは・・・・・・。

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「あっ、いっけね。忘れ物しちまったわ、先行っててちょんまげ★」

俺はそう友人達に言い放つと、その場を格好良く走りぬけた。

「お~い待てよ~、俺達も付いて行くよ~」

と友人A,Bが同時に叫ぶ。

「しょうがねぇなぁ~」

と俺がcoolに決める。

出し抜けに友人Bの頬をフルパワーで殴る。

飛び散る鼻水、噴き出す赤と白のコントラスト、それらが俺に新たな『力』を与える。

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「消えろ、ぶっとばされんうちにな」

俺はそう告げると、友人Aと校舎《Another world》に入る。

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校舎内は薄暗く、人の気配が感じられない。

「薄気味悪いな、こんな所に長居は無用だ」

そう言って俺はズボンを脱ぎ捨て、颯爽と教室へと向かう。

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突然友人Aが足を止める。

「おい、何か聞こえなかったか?」

shake

「すまん、俺が屁をこいた」

「ちがう、もっとリズミカルな音だった」

「俺の屁はリズミカルだぜ?三三七拍子だってできる」

「……いや、そんなんじゃ、おい! アレ見ろ!」

友人Aが指さす向こうには、俺らの教室があり、その空間の中で踊る人物がいた。

リズミカルな音楽に合わせて、踊ってる奴はもちろん知っている。

見飽きた担任の顔、そう担任の教師がブラウン管テレビの前で踊っているのであった。

俺と友人Aは顔を見合わせる。

「やべぇってこれ、忘れ物どころじゃねぇ帰ろう!」

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そういって全力疾走で逃げる俺達に担任は気がつく。

「見たな?」

担任が物凄い形相で追いかけてくる。

流石に距離があったためか、逃げ切ることができた。

玄関で俺は友人Bに問いかけた。

「あいつ・・・・・・俺らの担任だよな?」

友人はゆっくりうなずく。

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学校の玄関、もう数歩で外に出られる安心感があったためか

担任が追いつく事は考えてなかった。

後ろから肩を掴まれた時、俺は全てを悟った。

「終わった・・・」

ぬぅ~っと突きでる担任から一言。

「一緒にエクササイズしないかい?」

Concrete
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