中編2
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築山の印

小学校の低学年の頃、遠足で近所の神社に行った時のこと。

お弁当を食べ終えて自由時間、裏の築山でクラスメートと遊んでいた。

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ふと見ると、築山の陰にうち捨てられたように寂びれた小さなお稲荷さんの祠があった。

友人数人と近くに寄ってみると、祠の扉は蝶番が外れて半分開きかけてるし、お狐様も倒れてたり埋まりかけたりしていて何やら怖くなり、皆でそそくさと築山の上に戻った。

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築山の上には自然の岩が配置されていて、岩には運搬やら配置やらする時にでもつけられたのか、人工的なきれいな丸い穴が開いていた。穴の大きさは子供の腕の太さくらいでかなり深そう。

一緒に遊んでいた男の子が面白半分で腕を突っ込んでみた。

やはりかなり深いらしく肩のあたりまで入ったのに奥には手が届いてないようだった。

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突然、腕を突っ込んでる男の子が火がついたように泣き出した。

腕が抜けないらしく、泣きながら腕を抜こうともがいていた。

皆であわてて腕を引っ張ったり体を引っ張ったりしたがビクともしない。

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数人の子が怖くなって泣き始めた時、突然穴の中から押し出されたみたいに腕が抜け、男の子はその勢いで尻餅をついていた。

私はすぐさま駆け寄って手を取り大丈夫か訊ねた。

男の子は自分の腕をまじまじと見つめてまたしても火がついたように泣き出した。

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私も男の子の腕を愕然としたまま凝視していた。

男の子の手首から10センチくらい肩の方に進んだところに何か入っていたのだ

円錐か三角錐か四角錐か…

謎の三角の立体物が、傷一つついてない腕に入っていた

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引率の先生の一人が男の子を病院に連れて行くと告げ去って行き、その日の遠足は終了した。

明けて翌週、学校に来た男の子に聞いたら、医者も首をかしげていたと言う。

局部麻酔でメスを入れ取り出したそれは、金属でできた何かだったそうだ。

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時はたち、大人になった私がある日車に足を轢かれた。

車の持ち主はすぐに病院に私を連れて行った。

私の足のレントゲンを見ながら医者は首をかしげた。

「踵に三角の金属片みたいなものが入ってるんだけど、子供の頃に何か踏んだ?」

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取り出すのは難しいらしい。

私の足には今も謎の金属片が入っている。

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