短編2
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悲痛の念

初めて霊を見たのは、祖父の家だった。

仏間に布団を敷き寝ているとスリガラスの窓に白い影。その影は気づいた時からそこにあったので、気にせず寝た。次の日の夜も白い影があったので明日の朝、確かめようと思い寝た。

家の裏手にある仏間の窓に行く事は大変だった。家の裏は山だった為、土留め石が家より高く積んであり、家とそれの間を通らなきゃならない。手入れなんて一切していないから、棘のある木や雑草が生い茂り、やっとの思いで仏間の窓に着くとTシャツはボロボロで腕や顔は擦り傷だらけだったのに、その白い影の正体はわからなかった。ガッカリして戻ると居間にじいちゃんが居て、俺のボロボロの姿をみて笑ってた。そして何してた?と聞かれたので、仏間で見たものを確認の為裏に行った事を言うと、じいちゃんが少し青ざめた感じで昔話を始めた。

昔は家の裏にも民家があったらしく、田舎だからよく行き来するほど仲が良くて、若くて活発な娘がいたらしく、じいちゃんはそこにいる娘が好きだったみたい。でもある日の夜、突然地鳴りがしたかと思うと土砂で裏の家が埋まったらしい。奇跡的にじいちゃん家は無事だったんだが仏間の窓上まで土砂で埋まってたから窓を突き破って土砂が家の中に入ってきてた。

消防団と一緒に必死になってそこに住む家族を捜した。娘さんだけが2日たっても出てこなかった。

3日目にじいちゃん家の仏間で見つかった。見る影も無く、白い寝巻きを着た酷い状態で。「まだ成仏してないか」…と言うとそこで話しが終わった。

また夜がきた。仏間に布団を敷き電気を消した。あんな話しをされてちょっと怖かったが窓に白い影は見えない。ウトウトしかけた頃突然「ガッシャーン!!!!!!」と音がした。あまりに突然の音の為ヒビって布団から出られずにいるとまた「ガッシャーン!!!!!!」と鳴った。ふと窓を見ると白い影があった。ハッキリと分かる位ガラスにくっついたそれは白い着物を着た女である事がわかった。ガラスごしに目があったような気がする。

気がつくと朝だった。あれが夢だったかもしれないけど、もう仏間では寝なくなった。

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