中編3
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ゆみさん

これは私が高校生だったころの話です

実話です

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私の高校には窓が一つもない女子トイレがあった。

そこは昼間でも冷たく生ぬるい風がふいていて、掃除などの行かなければならないことがない限り人目のないトイレだった。

夏本番にさしかかったある日の放課後、私と友人のMちゃんは掃除ついでにそこのトイレで用をたしてから教室に帰った。

教室は掃除中だということもあってざわついていた。

部活友達であるYが「じゃぁプールの補修あるから行ってくる!」とバタバタ出ていくのを見送り、しばらくすると教室には私とMちゃんだけになっていた。

その時ちょうどテスト前で、私は部活の勉強会に行きたかったが、Yに荷物番を頼まれていたこともあって教室でだらだらとしていた。

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「ねーMちゃん、さっきから何パクパクさせてんのー?」

MちゃんはさっきからずっとYのスクバについているクッキー*ンのキーホルダーで遊んでいた。

「んー?別にー?」

まだ遊んでいる。・・・何かがおかしい、と私は思った。

彼女はとても天然で可愛いものに目がなく、そういうものを見るなり何ともかわいらしい笑顔をみせてくるのだが、無表情。

普段はすごい表情豊かな子なのに。

「どうしたの?」

「何が?いつもどおりだけど」

そう言うなり彼女はにんまり、と笑った。

ゾワリ、と背中の毛が逆立った。

違う、こいつはMちゃんであってMちゃんじゃない

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私は確信した。

じゃぁこいつはいったい・・・?

オカルトが大好きな私はすぐさま彼女が憑りつかれたのではないか、という結論に至った。

「Mちゃん、暑いしちょっと涼みに行かない?」「ん?いいよー」

廊下に出て例のトイレのそばの窓へ行く。

「そういえばさぁ、うちの中学時代にね、陰陽師をやってた奴がいr「疑ってるでしょう私の事」・・・な、にが?」

私はかろうじてこの言葉を口に出した。

彼女の口びるは緩く弧を描いているのにまったくあたたかくない笑顔だった。

目が、怖くて直視できない。

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「探ってるでしょう、私の事」

うふふふふ、とMちゃんは笑った。

キモチワルイ笑い方。

そして確信めいた物言い。

さぁあああ、と風もないのに木々がざわめいた。

私はびっくりして思わず肩をすくめる。

「遅くなってごめん!!」

その時Yが廊下の奥から駆けてくるのが見え、私も走る。

そしてそっと、Mちゃんが憑かれてるっぽいことを告白すると顔がこわばった。

「ん?どぅしたのー二人とも?」

「何でもないよ!じゃ部活の勉強会行かないとだから!」

と半ば強引にMちゃんと別れ、会が開かれている教室につくまでの間にMちゃんのことを説明した。

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「シュウに電話したほうがいい」

Yは私の話を聞き終えるなりそう言った。

シュウというのは生半可じゃないレベルで霊感を持ってるやつで、こういう幽霊が絡むような厄介ごとをよく相談する中学の時の友人だ。

私はこっそりと教室を抜け出し、電話をかける。

3コールくらいで出た。

「どうした?」「急にこんな話題で悪いんだけどどうも友人が何かに憑りつかれたみたい」「は?お前そいつと話したりしてねぇだろうな?」「話しちゃったよ?」「はぁ?!お前バカか?!死ぬぞ!!」

いきなり怒られた。

どうやら幽霊とむやみやたらに話してはいけないらしい。

そのことについて軽く説教を食らったのち、「あんまかかわんじゃねぇぞ」という忠告をいただき電話は切れた。

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その後なんとか自己意識を取り戻せたMちゃんはK県の有名なお坊さんにお祓いしてもらったようでいまでは元通りだ。

どうやらトイレにいた首を吊って死んだ女の子に憑りつかれたらしい。

Mちゃんは霊媒体質なところがあるらしく、そのことがあってから例のトイレは使用しなくなった。

だって怖いもの。

その女の子の名前はゆみさんというらしい。

彼女は努力の甲斐もあってかK大学に合格し、今も元気よく通っているそうだ。

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