短編1
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腕のない妹

「ふぅ…」

トイレを済ませた俺は、2階の自室のドアを閉めながら溜息をついた。

ここのところ、仕事に追われて疲れが抜けない。

体をベットに預け、携帯を弄る。

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しばらくすると、階段を登る「トン、トン」という音が聞こえた。

足音は自室の前まで続き、そして止まった。

「ガチャ」

「お兄ちゃん、お風呂空いたよ。お次どうぞ♪」

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妹だ。

妹は昨年の冬、交通事故により両腕を失っている。

一時は無くなった両腕やその姿に絶望し、ふさぎ込んでいた。

俺も、可愛い妹がそのような事態に陥ったことに随分と気を落としたものだが、ここで俺がふんばらくてはと仕事にも妹の介護にも力を入れていた。

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今では努力により、足や口などを器用に使い、大半の事はこなせるようになった。

もとより持っていた明るさのお陰か、今までの落ち込んでいた姿は見えず、事故以前と同じように冗談を言えるほどに回復した。

そんな妹を見ながら、俺は心から「ふんばってきて良かった」、と思った。

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「お前、器用になったな」

「いきなり何?笑 良いからお風呂は入りなよ。冷めちゃうよ!」

「そうだな」

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俺は違和感を胸に押し込み、妹の背中を見ながら自室を出る。

「ガチャ」

俺は背筋に冷たいものを感じ、妹を押しやりながら階段を駆け下りた。

今夜は居間で寝ることにしよう。

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一応兄の部屋に見えない何かが出入りしてるっていうオチなんですけど、わかりづらかったですね。すんません笑
自分で書いといて体洗ったとか全然思いつかんかった!

どーゆー意味ですか?
終わり方が少しわかりませんでした。

どうやって頭とか体を洗ったんだ…