短編2
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どうぶつの森

実家の近所にどうぶつの森と呼ばれる森があった。

そのころニンテンドー64で発売されていたゲームと同名だ。

しかし、こちらの森がそう呼ばれ始めたのはもっと昔のことだそうだ。

何故か行ってはいけないと言われていた。

なんでなんでと何度も聞いた。

子供だった私はおばあちゃんを困らせていた。

「本当はね、行ってもいい日もあるんだよー」

散々しつこく聞いたため、ついに観念したようだ。

「10月にね、森の主がおでかけする日があるの。その時にお掃除に入るのよ」

それを聞いてから何度も何度もお願いして、ついにその日一緒に入る許可が出た。

山道を結構登った。足が棒になるくらい。

そこでやっと開けた場所に出た。大きな木がある。

「ここがこの森の主様が祀られておる御神木じゃ」

この行事を取り仕切っているおじさんがそのまま説明を続けている。

でも私にはそんな話耳に入ってこなかった。

あの木の裏にいる、すごいデカイ生き物は何なんだろうか・・・

皆は見えないのか?

その日は御神木の周りを掃除して終わった。その間デカイ生き物はずっと鎮座していた。

大人になった今考えると「どうぶつの森」というのは「人間のではない」という意味だと理解した。

そしてあの時見た生き物。10月に出かけると言っていたが、おそらく神無月に出雲に神様が集まる行事のことだろう。

でもそれは旧暦の10月。別にどこにも出かけていないのだ。現に木の裏に居たし。

今もあの生き物は掃除する人々を静かに見守ってるんだろうか。

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