これ、なんなのか教えてもらえませんか?

中編4
  • 表示切替
  • 使い方

これ、なんなのか教えてもらえませんか?

友人について、の話でございます。

nextpage

友人のKの話です。

Kと僕は高校時代の友達で卒業後も頻繁に連絡をとりあう仲だ。

Kはごく普通のどこにでもいるような男で変わった所はない。

一つ変わっている所があり、それはある話をすると起こる"ある現象"の事。

nextpage

暇な日をみつけKに空いているかどうか確認のメールをした。

すぐに返信がきて丁度予定が空いたから遊ぼうという文だった。

僕とKが遊ぶ時はいつもどちらかの家で酒を飲んだりゲームしたりダラダラ時間を過ごしていた。

二人でわざわざ遠出したりレストランに食事に行ったり遊園地に行くような事はしなかった。

nextpage

今回は僕の家で飲む事になり、Kが来るまで酒のつまみの用意やテーブルの上を片付けをした。

ある程度用意できた頃インターホンが鳴った。

ピンポーン...

「は〜い居ますよ〜」

言った後に何故"居ますよ"なんて言ったんだろうと考える。

早歩きで玄関に向かいドアを開ける。

ガチャ...

「K?...ん?」

Kの姿が見つからない。外に出て周りを見回すが人の姿が無い。

nextpage

「はぁ...このご時世にピンポンダッシュかぁ?笑」

苦笑いしつつ一人呟いた。その時!

nextpage

「うわぁぁぁあ!!!!!!」

後ろから大声で叫び強く肩を掴んできた。

「ぐぁあっ!!」

びっくりして僕も大声をあげる。その拍子に入り口の硬い出っ張った部分に頭を思いっきりぶつけた。

ガンッ!!

めっちゃくちゃ痛え...

nextpage

後ろを振り返り驚かしてきた主の方を睨みぶつけた頭をさすった。

「....バカ!!バカKふざけんなバカ!」

「あっははお前って驚かし甲斐があるよなぁ〜このビビりちゃんめ〜」

「うっわキンモーお前の今の言い方キモいよ気持ち悪いキメー!」

「お前言葉遣い悪過ぎ!キモい言い過ぎ!さっき俺の事4回位バカって言っただろ!」

「3回だよ!お前に言葉選んで話す事ないだろ初対面じゃあるまいし」

「まぁ、そうだな俺達の仲だし...」

「うん...」

数秒間の謎の沈黙の際Kの後ろに見える向かいの家の窓をみた。

nextpage

窓は空いておりそこにおばあさんが居た。

どうやら俺達の会話を聞いていたようで、眼鏡に手をかけこちらをじーっと怪訝そうな目つきで伺っている。

なかなか家の中に入らずにドア前でアホなやり取りを大声でされたら誰でも迷惑に感じるだろう。

僕はおばあさんに向かってすみませんと謝る仕草をした。

すると、おばあさんはニヤァ...と笑って窓を閉め部屋の奥へ消えていった。

nextpage

「お前のせいでおばあさんに迷惑かけたぞ..俺達近所迷惑だな。」

「お前がさっさと家に入れないからだろーが!お前がな..」

言い合うと面倒なのでKの言葉を最後まで聞かずに部屋に入れた。

nextpage

Kは勝手にソファに寝そべりテレビをつけくつろいだ。

家に来ると毎回まず、ソファに寝そべりくつろぐ。余程このソファがお気に入りなのだろうか。

テレビに夢中になっているKにキンキンに冷えたビールを頬にくっつけてやった。

「冷たっ!!冷てーわ何すんだよぉ〜」

Kがふざけて悪態をついた。変顔で言われたので吹き出した。

nextpage

調子に乗ったKは色んなモノマネを披露し出した、が僕はそれを無視してつまみを取りにキッチンへ向かう。

「ちょちょちょっ!まだモノマネしてんだけど!見てくれないのかよ〜」

「その顔キモい...今つまみ用意するから待ってろ」

遠くでKが文句を垂れていたけど聞こえないふりをし、酒のつまみと冷蔵庫からビールを二本取り出す。

nextpage

一本をKに渡しもう一本を開けてグラスに注いだ。

テレビを眺めているとKが不意に怖い話のネタを集めてきたから聞いて欲しいと言い出した。

Kは怖い話を沢山もっていて高校生の頃もよく話をしてくれた。Kからの話は幽霊の話が多く、まだこの話は続いているというオチが多かった。

どんな話なのか聞きたかったので話を頼んだ。

nextpage

「俺のばあちゃんの話でさ...」

Kが怖い話をし始めた。声のトーンを下げて怖そうな雰囲気にさせ、テレビの音量も下げる。

うんうんと話を聞いていると、だんだんKの様子が変わってきているのに気づいた。

顔が青白くなってきて...声も普段のKとは違うザラザラした..雑音が混じった声..という表現が正しいのかわからないがそのような声に変わる。

「K?..大丈夫?」

Kに呼びかけても怖い話は止まない。

nextpage

話のオチを話すと、Kの目が白目を剥いた。

Kの名前を何度も読んで肩を揺さぶるがまだ話をしている。

「という話をばあちゃんが語ってたんだよ..」

「おい!おい!K!起きろ!」

バチッ!

Kの頬を叩きもう一度名前を呼ぶ。

「いってぇ...痛いよ!何すんだよぉ〜」

自分の頬を撫でながら言うKの目は正常に戻り声もいつものKだった。

nextpage

そういえば怖い話をすると度々Kはこのような状態になっていた。

お祓いに行った方がいいと言っても大丈夫と言って言う事を聞かなかった。

nextpage

「お前また変になってた...お祓い行けよ。心配だよ」

「記憶にないんだよ。でも、大丈夫だって!俺生きてるし笑」

「え..でも!やっぱりお祓いに...」

ガシャーーン!

Kと僕との間に置いてあったグラスが勝手に倒れた。

Kと僕は呆然としながら倒れたグラスをみた...

nextpage

怖い話をするとおかしくなるKは何かに取り憑かれているのでしょうか。

僕は怖い話をすると肩や首が痛くなったり血圧が上がったりしますが、Kのような現象が起きたことがありません。

nextpage

おしまい

Normal
コメント怖い
4
5
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ

絶望さんコメント、怖い をありがとうございます!お祓いに行くよう説得しようと思います。

返信

奥さん コメントありがとうございます!
なるほど...Kにそのような力があったとは..
友達がシャーマンになったらびっくりです笑

返信

マジの話なら、お祓い又は霊能力者に見てもらうのをオススメします

返信
表示
ネタバレ注意
返信