中編3
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親戚のおじさん

これは私が小学校の高学年の時の話です。

夏休みに入ったばかりだったので8月の頭だったと思いますが、親戚のおじさんが仕事中に事故に遭い42才という若さで亡くなりました。

近くの町に住んでいたということと従兄弟同士の歳が近いということもあり家族同士の交流も盛んで、叔父さんも私達兄弟にとても良くしてくれていました。とくに兄貴は親戚の中で初めて出来た子供だった為とても可愛がられていたようです。

うなるような猛暑の中、私達家族は御葬式の為、親戚の家と御寺を行ったり来たりしていました。

御寺に向かう途中、兄貴が気持ち悪いといっていきなりもどしました。

朝はあんなに元気だったのに急に顔色が悪くなり、こんな暑い日なのに汗をかいていませんでした。

熱中症だろうということで、母親が兄を連れて親戚の家に戻ることになりました。

私と父親はそのまま御寺に向かいました。

御葬式が始まっても兄は御寺に来れず、母親も兄の看病の為、一瞬顔を出してまた親戚の家に戻って行きました。

母親が御寺に来た時、父親の耳元で何かを話し、父親がそれに対して怪訝な顔をしていたのを覚えています。

御葬式が終わり親戚の家に戻ると、家の中に散乱した兄の嘔吐物を近所の人達が掃除してくれていました。こして兄はベッドの上で寝ていました。寝ていたというよりも強制的にベッドに縛られていました。

その光景に驚いて何でこんなことをするのか尋ねたところ、どうやら兄は親戚の家に着くなり更に容体が悪化し、嘔吐をしたり、暴れだしたりと大変だったと言っていました。

近くのお医者さんに電話して診てもらったところ、恐らく熱中症だと思うと言われたが余りにも暴れるので安定剤を飲まして眠らせたとのことでした。

そんなことを知らない、従兄弟の祖母、亡くなったおじさんの母親が御寺から帰ってきてベッドの上の兄貴を見た瞬間、大声でおじさんの名前を叫びました。そこにいた全員が固まったのを覚えています。

余程のショックで呆けてしまったのかとも思いました。

おじさんの母親は兄貴のもとに行き、手を取って泣き始めました。兄貴は眠ったままです。それでもずっと泣きながら話しかけていました。

幼心にあまりにも強烈な光景でした。

見てはいけない様な気がしたのと怖いという思いで私は母親につれられて家に帰りました。

次の日、兄貴は何事も無かったかのように家に帰ってきました。

あの後何があったのかと暫くしてから母親に尋ねたのですが、おじさんの母親はずっと兄貴の手を取ってこの子を連れて行かないでくれと言い続けていた様です。連れて行くなら私が一緒に行ってあげると。そして慌てて御坊さんがやってきて除霊のような事が始まったらしいです。

御坊さんが言うにはおじさんは寂しがりやで、一人であの世に行くのが嫌で誰かを連れて行こうとしたらしいです。なので霊感体質で、おじさんが可愛がっていた兄貴を連れて行こうとしたとのことでした。

死んだ人に悪気はなく、とくにおじさんは若くして亡くなった為、思いが強かった様です。

おじさんが亡くなったすぐ後におじさんの母親が亡くなったのは偶然ではないかもしれません。

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