長編13
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心霊スポツトの体験談

私は神奈川県に在住して居る46歳の男性です。神奈川県Y市で育ち仕事も都内、都下、神奈川県内が中心です。

私の数ある体験談の中から初めて投稿させていただきます。

幼い頃から不思議な体験をするのはどうしてなのか?決して霊感などあるわけないと自分では思っているのですが、そんな私の体験談です。

今から27年前の事です。当時、私は普通自動車免許を取得して1年目になろうとしておりました。夜な夜なドライブついでに友人達と心霊スポツト巡りなんぞという事をしていました。

心霊スポツトと言っても当時、県内の心霊や怪奇話がある噂話につられ行く程度の事でした。

その日、私と当時交際していた私の彼女。

私の友人と友人の彼女の4人で材木座から小坪トンネルに行く話になり私の車に4人が便乗して一路、鎌倉方面に向かいました。

自宅を出たのは夜中の1時過ぎです。

途中、コンビニで友人がインスタントカメラを購入し「心霊写真なんか取れたらいいなぁ~」なんて軽い気持ちで現地に向かいました。

夜中で車の数も少なく八幡宮を抜け材木座に着いたのは1時50分過ぎ位です。

「一体、材木座に何があるんだ?」と私は友人に尋ねました。

その時まで私は材木材に何があるのか知りませんでした。

友人は「何でも幽霊の出る屋敷があるそうだから、覗いてみようぜ」と答えました。

私は「その幽霊屋敷の所在地、知っているのか?」と尋ねましたが、友人は「知らない」と答えました。

友人は「その幽霊屋敷はこの辺りでは有名らしく、地元の人なら誰でも知っているらしいぜ」と言うので、

「じゃ、そこの24時間営業のガソリンスタンドに寄るから、店員に聞けよ」と私は友人に催しました。

ちょうど車の燃料も少なくなったので給油ついでの事です。

「いらっしゃいませ~」と対応したのは中年層の男性店員でした。

私は「無縁ハイオク満タン」(当時)と言い、次いで友人が

「すみません、ちょっとお聞きしたいのですが、この辺りに幽霊屋敷があるって聞いたのですが、知ってます?」

と、その中年層の店員に尋ねました。

中年層の店員は

「幽霊屋敷ですかぁ~?聞いたことないなぁ」

と言い

「ちょっと待ってて、店内にこの辺りが地元の店員がいるから、聞いてみるから」と言い、店内に入っていきました。

店内から出できたのはちょうど私たちと同年代位(当時)の店員でした。

同年代位(当時)の店員は

「ああ、知っていますよ」と答えましたが、その後は無言で給油口にガソリンを入れていました。

友人が「その幽霊屋敷の場所わかるなら教えて」と言うと怪訝そうな表情で

「別に、構いませんが、この辺りの土地勘ありますかぁ?」と言い

「あまり詳しくないなぁ」と言い返すと、同年代位(当時)の店員は地図を書いてくれました。

地図に示された場所はそのスタンドから歩いても15分位の距離にありました。

私たちは「歩くのもなんだし途中まで車で行こう」と会計を済ませスタンドを後にしました。

地図に示された場所の近くまで行き車を路駐してから、私たちは歩いて幽霊屋敷に向かいました。

住宅街に入りしばらく歩いてから

「あっ、ここじゃねーか?」

と友人が立ち止った所には幽霊屋敷と言われている廃墟がありました。

その廃墟とはドアの入口は木板でバッテンに封鎖されていて、窓も木板でバッテンに封鎖されていました。

庭には廃墟物が散乱していました。

時刻は2時を廻った頃です。

 

私が「中に入れるのかなぁ」と友人に言うと

「入ってみようか」と言い2人で玄関まで歩いて行き、ドアノブに手を掛け廻しました。

が施錠されたドアは開きませんでした。

何度かドアを強引に引っ張って侵入を試みましたが頑丈に施錠されたドアは開きません。

その時

門の所で待っていた私の彼女と友人の彼女が

「もう帰ろう」「なんか気味悪いよ」と言い出しました。

確かに何か得体の知れない雰囲気が漂っていました。

私が「カメラ持ってきた?」「写真、撮ろう」と友人に言うと「いいや、車に忘れた」と言いました。

「じゃ、車にもどってカメラ持ってくるかぁ?」と言うと、私の彼女が「なんか、さっきから寒気がする。もう車に戻ろうよ、取り憑かれたりしたらどうするのよ」と言い出しました。

「そうだな、中に入れないし戻ろうかぁ」と言うことになり私たちは車がある所まで歩いて戻りました。

そして、車に戻り一安心してエンジンを掛けようとスターターを廻したのですが、、、、、、

エンジンに反応がありません。

何度かスターターを廻したのですが全く反応しないんです。

とっさに後部座席で

「何やってるの、気味悪いから早くエンジン掛けてよ」と彼女たちが言い出しました。

友人が助手席で

「どうした?バッテリーあがりか?」と言いましたが、私は「そんなこと在り得ない」と言い、何度もスターターを廻していました。

私たちは緊迫した雰囲気になり体から血の気が引くのを感じました。

友人が慌てた様子で

「俺がスターター廻してみるから」と言いスターター廻してみましたが、私の車のエンジンは掛りません。

彼女2人も同じように試させましたがエンジンは掛ってくれません。

その時、とっさに先ほど私の彼女が言った言葉を思い出しました。

「取り憑かれたりしたらどうするのよ。」

慌てた友人が

「早く、ここから退散したほうがいいぞ」「もし、バッテリーあがりだったら押し掛けでエンジン掛かけろよ、俺達が押すから」と言い3人で車を降り、後ろから車を押してもらいました。

しかし、それでも何の反応もなく、ライトすらウインカーすら点灯しない状態でした。

全くバッテリーが上がった状態に等しかったのです。

私の顔は怖張りました。そして、妙に首筋が重く感じていました。

バックミラー越しに見る3人の形相が、普段見慣れている友人と私の彼女の形相ではなく、青ざめた顔だけが異様に見えました。

なんとか、幽霊屋敷の場所を教えてくれたガソリンスタンドまで車を押し運び、中年層の店員に、「私たちと同年代位の店員を呼んでくれ」とお願いしてから、電装系のトラブルで車が動かなくなったと中年層の店員に伝えました。

中年層の店員は

「バッテリー上がりでしたら急速充電で1時間くらいですけど」と答え店内に入って行きました。

しばらくして中から同年代の店員が出てきました。

私と友人が、幽霊屋敷に行き、屋敷に入ろうとした事を伝えました。そして、車に戻った後、車のエンジンが掛からずここまで手押しで来た事を伝えました。

同年代の店員は

「そうですかぁ」とだけ言い、その後で

「車を見てみましょうかぁ?」と言いエンジンスタターを廻しました。

私の車のエンジンは一発で掛りました。その時までまったく反応しなかったのが嘘のようでした。

「念のためバッテリーの比重も見ておきます」と言い、同年代の店員はバッテリーの比重も見てくれました。

「比重は十分ですね、異常はないですよ」

じゃあ、どうしてあの時

幽霊屋敷から帰ろうと思った時に車のエンジンが掛からなかったのか、何かがその場に留めようとしたのか、バックミラー越しに見る3人の形相が異様に見えたのはどうしてか、と私は自問していました。

ガソリンスタンドの自販機で同年代の店員にもアイスコーヒーを買い、飲みながらあの幽霊屋敷の話を聞きました。

同年代の店員はここのあたりが地元だそうです。そして、あの幽霊屋敷に行くと怪しげな現象が起こる事も知っていました。

同年代の店員の友人も同じような怪現象を体験したとか話していました。

なんでも、過去にあの幽霊屋敷が建っている場所で忌まわしい事件があったと言われているそうです。

地元の人が遭遇した怪現象もたくさんあるそうです。この辺りには心霊スポツトとされている場所がまだあるそうですが、あまり明かしたくは無いらしく また、不用意には行かないほうが身の為だといわれました。

そんな会話を同年代の店員と交わし終え、私たちはガソリンスタンドを後に車で走り出しました。

車内は重い空気が漂い私たちの会話はすくなげでしたが、友人が

「小坪トンネルどうする?行く?」と切り出しました。

後部座席の彼女達は

「あんた、馬鹿じゃない?今、怖い目に逢ってさぁ、まだ懲りないの?」と「本当に、憑依されたらどうするの?今日はやめたほうがいいよ」と猛反対でした。

私も彼女達の意見に賛成でした。友人には「小坪は来週に行こう、今日は嫌な予感がするから帰ろうぜ」と言い、友人も「そうだなっ、帰ろう」と言うことになりました。

ただ、私は車を運転中、幽霊屋敷で起きた怪現象が妙に気になっていました。その事が離れずで頭の中はいっぱいでした。

帰路は車を鎌倉方面から大船方面を経てY市に向かわせたつもりでした。

が、私は逗子方面に向かっていました。故意にではなく、いつの間にかというのでしょうか。

「あれ、小坪方面だぜ」と友人が気付きました。ちょうど逗子駅を過ぎた頃です。

しばらく走っているうちに上り坂にさしかかり目の前に小坪トンネルが見えてきました。そして、この小坪トンネルで、異変が起きたのです。

今でこそあの辺りは道路灯も多く「心霊スポット」って雰囲気も薄れかけていますが。

このトンネル付近は心霊スポットです。

タレントのキャッシー中島さんの話はよく知られた話です。

トンネルの上には火葬場があり、トンネル内で異変が起こるそうです。

私たちが小坪トンネルにさしかかったのは夜中の3時半を過ぎた頃でした。

幽霊屋敷で起きた怪現象が妙に気になっていましたから、

私たち4人は完全に怯えきっていました。

トンネルの入り口に書いてある小坪トンネルの文字を見上げながら

とりあえず車でトンネル内に入っていきましたが、

何も起こらずトンネルを出た辺りで停車していました。

助手席の友人が、ふと口にしました。

「火葬場に上がる道、行ってみる?」

妙に重々しい口調だったので、後部座席の彼女たちが悲鳴を上げました。

私は何度か小坪トンネルには来ていましたが、

火葬場まで上がってみるのはこの時が初めてでした。

「どこからだ?火葬場に上がる道?」

「反対の方向だよ」

「じゃ、Uターンだ」と思い、片側一車線の狭い道路で方向転換して

再度、トンネルに入っていきました。

何事もなくトンネルを抜けて、上の火葬場に上がる坂道にさしかかり

私と友人は、後部座席で怯える彼女たちを

なだめながら、車道を登って行きました。

ヘッドライトを上向きのままでしばらく細い上りの道を走らせると

少し平坦な開けた場所に出ました。

そして、もう少し走らせた所には頑丈な鉄の門がヘッドライト越しに見えました。

その先に、さほど大きくない煙突のある建物が見えました。

「ここ、火葬場かなぁ」と私が言うと友人は

「みりゃわかるだろ、煙突があるし間違いないだろ」と答えました。

友人は思い出したように

「カメラもってきたよな、外に出て写真撮るか」と切り出しました。

私「心霊写真とか期待しているのか?」

「なんか空気も重たいしな、面白半分だったらやばそうだぞっ」

友人は、

「記念写真だから大丈夫だろ」「とにかく車から降りようぜ」

と言いました。

後部座席の2人彼女達は震えて車からは降りようとしませんでした。

「やめたほうがいいよ」

「もう帰ろうよ」

「なんでここに来たのよ」

と彼女達は私と友人を制しました。

友人が

「大丈夫だから、お前たち2人は車で待ってろよ」

「俺達2人で記念写真を撮ってくるから」と言いました。

私は自分の彼女に言いました。

「ライトは点けたままで、エンジンは絶対に切らないでおけよ」

私と友人は車のドアを開け外にでました。そして鉄の門を乗り越えて

建物のほうに歩いていきました。

建物の入り口の前で友人が言いました。

「ここで写真撮ろうぜ」

「お前、そこに立ってろよ」と言い

インスタントカメラのシャッターをきりました。

一瞬、フラッシュで辺りが3回明るくなり、友人は私に3枚のシャッターを切りました。

「今度はお前が写真撮ってくれよ」と言い、

友人は私にインスタントカメラを手渡しました。

私は友人に向かってシャッターを4枚切りました。

一瞬、辺りが明るくなり合計7枚の写真を

火葬場の入り口の前で撮ったのです。

「もう、そろそろいいだろ、車に戻ろうぜ」

「そうだな、あいつら心配だし、行こう」と言い、

早々にその場を立ち去ろうとした時です、

車で待たせていた彼女達の悲鳴が聞こえました。

私と友人は走って戻りました。

そして鉄の門を乗り越えて車を

見ました。点燈していたライトが揺れていました。

誰かが揺らしている様に車が横方向に揺れていたのです。

私と友人が車に駆け寄ると車の揺れは止まりました。

そして、車に乗り込み後部座席を振り返りました。

彼女達は放心状態でした。

顔面は真っ青で、血の気は失せ目を見開いた状態でシートに横たわっていました。

私が「おいっ、どうした、大丈夫か?」「おい」と声をかけ、肩を揺さぶり

友人は「何があった?」「おい」「おい」

私と友人は怖くなりました。

そして、急いで車を走らせその場から離れました。

助手席で友人が何度も彼女達に声を掛け、私はバックミラー越しに様子を覗っていました。

私と友人もパニック状態で必死にその場を離れました。

小坪トンネルから少し離れた所まで走って行った辺りで

彼女達の意識が戻りました。

「大丈夫か?」

「何があった?」

声をかけると突然、彼女達が泣き出しました。

「大丈夫か?」「大丈夫か?」

私達は、そのまま、来た道を戻り、江の島まで走っていました。

藤沢方面から国道1号線を経てY市方面に戻りました。

横浜新道辺りでようやく彼女達が泣き止みました。

私はバックミラー越しに

「大丈夫か?」と、声をかけました。

私の彼女は

「大丈夫、大丈夫」「もう、楽になった」と、言いました。

友人が「何があった?」と聞くと、友人の彼女が答えました。

「あなた達ふたり、並んで写真撮った?」

「・・・・・・車の中でね、ライト越しに、私と友人の姿を見ていたら、

カメラのフラッシュが見えたから、写真、撮ってるのがわかったけど・・・・・・」

「誰か居た?」

私と友人はギョッとしました。

「誰もいないよ、あんな所に誰も居るわけないじゃん、俺達2人だけだよ」

「・・・大体、並んで写真なんか撮ってないぜ・・・・・」

私の彼女は言いました。

「うっそ~。なにそれ、並んで写真を撮っている様に見えたけど」

その後、彼女達は

「急に車が横に押されたみたいになって、怖くて大声で叫んだ」

「体が重たくて、動かない、どうしょう、どうしょうって、凄く怖かった」

と、言っていました。

私と友人には言葉がありませんでした。

私達は地元に戻り、それぞれ解散しました。もう辺りは、だいぶ明るくなりかけていました。

インスタントカメラは友人が持ち帰りました。

「何が写っているのだろう?」と気になりますが、

後日、私の彼女に友人と2人で写真を撮った時の事を説明すると

「気持ち悪いから現像しないで捨てたほうがいいよ」と言われ

「あいつが買ったカメラだからさ、現像する、しないはあいつにまかせる」

と、はぐらかしました。

それから、3日後、友人が車で事故を起こしました。

フロントガラスに顔面から突っ込み、顔を20数針縫う大怪我でした。

幸い死には至りませんでしたが、JRのN駅近くの病院に2ヶ月入院しました。

その2日後に私も左顔面の額に怪我をしました。

私の車の整備中の事故で、工具が左顔面の額に当たり5針縫う怪我でした。

私と友人の怪我の事はその時まで偶然の事故と思っていました。が

2か月後に友人が退院した後、

友人が私に見せた写真を見て背筋が寒くなりました。

友人が言いました。

「この前、小坪に行った時の写真、見る?」

私「マジ?現像したのかよ、なんか写っていた?」

友人「うん、あの時さ、何枚ぐらい写真撮ったっけ?」

私「7枚」

友人「だよなっ、出来上がりの写真2枚だけだぞ」

私「うそっ、なんで?」

友人「なんか、写真屋の人が言っていたけど、、、

現像できる写真は2枚だけです」って

私「何それ?」

友人「現像出来る写真は2枚で、後の写真はお渡しできません」だって

私「なんかっ、やばい写真だったのかなっ」

友人「わからない、はっきり言わないんだ」

「これが、ネガだけど」

友人が私に差し出したネガには黒く塗りつぶされている部分が

5ヶ所あり、2枚だけがかろうじて現像出来る部分でした。

友人「これが、その写真。よく見てみぃ」

友人が私に見せた写真。

それは、私と友人のそれぞれ1枚ずつでした。

私の顔の左部分が、もやけて写っていませんでした。

友人の写真は顔の部分がピンボケで消えかけているように見えます。

友人が言いました。

「気持ち悪いだろ?この写真を見たときゾッとしたけれど

車で事故って顔面けがしたのは、このせいだろうって、そう思わない?」

たしかに、ゾッとしました。

しかし、友人が言った事も考えられます。

私の顔の左部分がもやけて写っていませんでしたし。

私は友人に言いました。

「あいつら(彼女達)呼んで、おはらいに行ったほうがいいかもなっ」

友人「だろ」「絶対、行ったほうがいいよ」

彼女達を呼んで、すぐ行くことになりました。

数日後にK市にある身代わり不動に写真をもっておはらいに行きました。

もちろん、私の車です。

その後は、私も友人も共に大きな怪我はしておりません。

以上が、私がいまから27年くらい前に体験し起こった出来事です。

長文、乱説の所、御辛抱頂きありがとうございました。

また、投稿させていただきます。それでは、失礼します。

怖い話投稿:ホラーテラー yoshichikaさん  

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