短編2
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予約

帰り道。

携帯電話が鳴っていることに気づいた。

見ると知らない番号。

とりあえず、電話を取る。

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「どちらさまでしょうか?」

「・・・予約を承りました。」

一言、ぷつりと切れてしまった。

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「はて」

しばし路上で首を傾げていると、

shake

どん

体に強い衝撃が走り、目の前が暗くなった。

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気が付くと、

私はレストランの待合席のような場所で座っている。

見渡すと、自分の後ろにも、

まばらではあるが何人か座っているようだ。

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「ご予約の有原様でしょうか?」

有原とは確かに私のことだが、

レストランなど予約した覚えはない。

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「いいえ」

「左様でございますか。

では、お出口はあちらになります。

またのお越しを」

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案内をされた出口を出た。

外は真っ暗で何も見えない。

慌てて振り返ると、今出てきた扉もない。

とたんに怖くなって、目をつむってその場にうずくまった。

まぶた越しに光を感じた。

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ゆっくり目を開けると知らない天井が目に入ってくる。

視界の端ではナースが、慌てているのが見える。

医者が私の診察を終え、一段落ついたところでナースから話を聞くと、どうやら私は車に跳ねられ、10日間意識不明だったという。

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ふと携帯電話の着歴をみると、

10日前に知らない番号からの着信を見つける。

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はて・・・。

確か予約を承ったとか言ってたな・・・と、電話の内容を思い出す。

「ああ、と言うことは、あの待合席は・・・」

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ところで、誰が私を「予約」したのだろうか。

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