短編2
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骨折り 後編

Fをとりあえずは仲間と交代で担いで下山しながらも、

一番近くの山小屋に運ぶことになりました。

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山小屋に着くと、事情を山小屋の主人に話し、Fを火葬させてもらうことにしました。

Fを運んで下まで行くのは危なすぎたのです。

そして、山で死んだ者は山で身軽にして下界へ連れて行くのが私たちの習わしでした。

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私たちはFを担いでいたリュックの中身や着ていた服そのまま一緒に荼毘にふすことにしました。

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さようならF・・・

パチパチと音を立てながら燃えていくFの傍で、誰もが意気消沈し、涙を禁じえませんでした。

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低温で燃やしたため、骨は奇麗そのままに残りました。

と、仲間の一人があることに気づきました・・・

頭蓋骨にリュックの中に入っていたであろう鉄製のお守り(ワッペン)が癒着していることに・・・。

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そのワッペンとはFが生前母からもらったお守りであると言っていたものでした。

仲間の話を聞く限りでも、やはり母に会いたかったのだと皆感じとりました。

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しかしFが死んだ理由は分かりません。どう考えても自殺するようには思えません。

私達はどうしたものかと思いながらも、Fの骨を彼のリュックに詰め、下山することにしました。

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Fの骨の入ったリュックを背負ったのは最期にFの言葉を聞いた仲間でした。

彼が一番Fとは仲が良かったからというのもありますが、彼の荷物が一番少なかったからというのも骨を任せた理由でした。

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下山し、早速Fの両親に事情を説明すると、

「人殺し!」

と私たちは罵られてしまいました。

不本意な反応に、私たちはFの骨の入ったリュックを彼の両親に投げつけた後、

思いっきりリュックめがけて蹴りを入れました。

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すると、また「人殺し!」と言われてしまいました。

世の中おかしなことです。

善意で運んできたのに、こんな仕打ちをされて。

怒らない人がいるなら教えてほしいです。

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あー、こんなことならもっと皆で痛めつけてからFを突き落せばよかった。

骨折り 後編 -完-

Concrete
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