短編1
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「嘘つき。」

T子は、最近上京してきたばかりで日々忙しい毎日を送っているOLだ。

始めは夢の一人暮らしを

満喫していたのだが

最近になって

不審な電話が増えていた。

T子が電話に出ても

男の荒い息遣いしか聞こえない。

T子が何度も「やめて」と言っても聞こえるのは息遣いだけ。

気味の悪い悪戯だと

腹を立てながらも忙しい毎日のせいもあり、放置していた。

数日がたち、仕事から帰宅したのと同時に電話が鳴った。

「またか」と、

仕事の疲れもありイライラしていたT子は電話に出るなり怒鳴り散らした。

「今日は彼氏が来るの!

いい加減にしないと、彼氏に殴ってもらうからね」

―…彼氏なんていなかった

ストーカーなんてする男、

小心者に決まっている。

“彼氏”という言葉を出せば怯むかと思ったのだ。

そして相手も、その言葉を聞いた瞬間に荒い息遣いが、一瞬止まった。

そのまま電話を切り、

T子は倒れるようにベットで眠りについた。

翌日、T子は鏡を見て絶叫した。

顔が血だらけだったからだ。

しかし、傷は見当たらないし、痛みも無い。

床には、汚くて血がついた爪が散乱していた。

顔を洗おうと、フラフラになりながら洗面所に行くと

またT子は絶叫した。

“彼氏なんかいねぇじゃねぇか、うそつき”

鏡に書かれていた血文字を見て、T子はすぐに引っ越した。

怖い話投稿:ホラーテラー ちきさん  

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