短編2
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通り抜けの男

全然怖くないんですけど、今朝あった出来事を。

私の住んでるアパートの目の前にごみ捨て場があって、地区の決まりで8時までにゴミを出さなきゃいけないんだけど、朝から主人のお弁当作って子どもにミルクあげてたら7時45分。

はっと、主人にゴミ出し頼むの忘れてたって思って慌ててごみ捨てに。

月曜日は缶・瓶・ペットボトルの日なのでさほど重くはなく、急いで階段を降りた。

住んでる階は3階で、2階まで降りてしまえば階段からでも横目で地上が見えるのだが、そこで灰色のつなぎを着たおじさんを見かけた。

アパートの住人では無さそう(見かけたことは無い)。

アパート自体は国道と裏道??の間にあるため、その間を通り抜けできる形になっているが、アパートの敷地内は住人以外通り抜け禁止という張り紙や看板がある中での見知らぬおじさんの通り抜け。

しかも手には缶コーヒーを持っていたので、もしかしてそのままごみ捨て場に置くんじゃないかと思い急ぎ足で降り、ごみ捨て場に向かった。

最近、地区外からのごみ出しが多く、溢れかえってカラスが漁って特にもえるごみの日は汚くなっているので、地区の人たちで違反してる人を見かけたら声をかけるようにと回覧板も回っている。

しかし、ごみ捨て場に行くとおじさんはいない。

階段を降りきってからごみ捨て場までほんの数秒の距離。

ごみ捨て場は裏道側にあり、数秒の時間差があったとはいえ見失うことは絶対にありえない。

だって、裏道側に出たら一本道出し、朝は国道沿いと違って車の通りだって少ないんだから姿が見えないなんて事はない。

でも、おじさんいなかった。

Concrete
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