短編1
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足跡

私が住むアパートは、洗濯機が外にある。

入り口のドアの横。

ある日、帰宅して、洗濯をしようとドアを開けるとすごい雨だった。

「さっきまでは降ってなかったのに。もう少し帰りが遅かったら、濡れてな。」なんて思いながら一歩踏み出そうとして固まった。

私の部屋はアパートの 2階で、階段を登ってすぐの位置にあるのだが、階段から私の部屋まで雨で濡れた靴跡がついている。

しかもその足跡は、部屋の前で立ち止まった様子が無く、まるでドアをすり抜けて部屋に入ったかのようだった。

私は雨が降る前に帰宅したのだから、私の足跡ではない。

そして私は一人暮らしだ。

ドアの内側である玄関に足跡は無い。

立ち去ったら当然ついているはずの、部屋から階段に向かう足跡も無い。

その後何かあったというわけでもなく、ただ誰の物かわからない足跡があっただけなのだが、不気味な体験だった。

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