中編4
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お盆のラブホテル

実体験を語らせていただきます。

今年のお盆休み、長期連休が取れました。長年付き合ってる彼氏と和歌山県1泊2日旅行を計画しました。

1日遊び疲れて、宿探しの時間になりました。長年付き合ってると、旅先のホテルは旅館とかではなく、ラブホでいいかとなるものです。

某ラブホテルアプリにて、近くのホテルを探すと何件かありました。その中で、口コミもそこそこなホテルをマップで目的地登録して向かいました。

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到着すると、コテージといいますか、車を停めた場所の横にドアがあってそこから階段を上がった先にもう1つドアがあってそれが部屋への入り口、みたいなタイプでした。どの部屋か悩んでいましたが、お盆で込み合っていたのもあり、後ろにも車が何台か続いていたのでパッと目についた部屋に決めました。

私は、幼少期から霊感があり、段々と弱まってる感じです。

部屋に入った途端、重いような暗いような空気を感じました。部屋はお姫様のお部屋のようなかわいらしいお部屋です。彼氏に言うべきか悩みましたが、お泊りすることが決まっている以上、”わざわざ言うのはな・・・”と思い、言いませんでした。

部屋の構造は、ドアを開けてすぐ正面の奥にソファ、右手に水回りというような構造でした。

ソファにお泊りセットを広げ、シャンプーを頼むために机の上のレンタルファイルを見るときにライターに目が行きました。ラブホテルの部屋って、ホテルの名前のシールが貼ってあるライターがありますよね。

「あれ?」

自分たちが行こうと目的地セットしたホテルじゃないのです。違う名前のホテルの名前のライターがそこにありました。私の言葉を聞いていた彼氏が、「どうしたの?」と聞くので「こんなホテルの名前だっけ?」と聞くと「違うけど・・・まぁいいんじゃない?」とサラーっと言い、お風呂の湯をはりに行ってしまいました。

その時点で、不気味だと感じたこととホテルが違うことで怖くなっていたので、「一人にしないで!」と何をするにも彼氏に横に居てもらいました。

お風呂に入る用意をするときも、横に居てもらい、お風呂に入りました。いつも、浴槽に二人、向き合って浸かります。ですが、その日もいつもと同じように浸かってたんですが、彼氏と目が合いません。

お互い、キョロキョロしてるからでした。目が合わないのも確かです。色々な箇所からよくわからない音が聞こえてきました。

怖くて早々にお風呂を出ました。”さっきの音、聞こえてた?”なんて聞けば、怖いのが伝染すると思ったし、翌日の観光場所とは意外と近かったので、私の怖いっていう我儘で退室して他のホテル取れなかったらどうしようかとも思ったので、言うのを辞めました。

髪の毛を拭いたりしながら気を紛らわせてるときに、彼氏が無言で携帯の画面を見せてきました。今現在泊まってるホテルの情報のページでしたが、写真もない、口コミもない、一切何の情報もないホテルでした。普段は、口コミがなかったりホテルの外観の写真もないようなホテルにはいきませんが、そういうホテルに来てしまっていました。

「名前・・・違ったね」ってポソっと彼氏が言うのを無視して、一緒に化粧水を塗ったりして早々にベッドに入りました。

彼氏はいつも、youtubeを見ながら眠りにつく人なんですが、動画を再生してすぐ「俺、ここいややわ」と言われました。霊感もなく、いつも私を怖がらせたりするようなことは全くしない彼氏です。道路に猫が轢かれて亡くなっていたときも、「今目つむりな!開けたらあかんで!」と先に回避してくれるくらい、私が怖がることはしません。

その彼氏が、「いややわ」と「気味悪い」と言ったことがもっと怖かったです。

「そんなん言わんといて、寝られんくなるやんか」って私が言ったとき、天井からバタバタッ・・・と足音が聞こえてきて、それで私は固まってしまいました。なぜなら、コテージ型なので上に部屋はないからです。もう無理だと思いましたが、「電気とテレビつけて寝よな」って彼氏に背中トントンしてもらっていたら眠れており、起きたら朝でした。

洗面所に一人で行く勇気もなく、朝7時のチェックアウト時間まであと40分ほどだったこともあり、彼氏を起こして一緒に用意してチェックアウトしました。

朝、車に行くと昨日の夜あんなに混雑しててあんなに後ろにも車が居たのに、朝7時の時点でガラガラでした。それに対しても「ちょっと気味悪かったね」とホテルを後にしました。

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いつもは旅行終わりはどちらかの家で一緒にお風呂に入ったりするんですが、時間も遅いし迷惑かけるとだめだということで、ホテルを探しました。”お盆のホテルが怖い”じゃなくて、”あのホテルが怖い”って考えだったのでホテル探すことができたんだと思います。

いつもは高速で通りすぎるところにある、地元の隣の県のホテル。某アプリで調べたらその付近には1件だけでした。

そのホテルに向かって、部屋につきましたが、前日の怖いホテルを思い出して身構えてしまいました。

お風呂入るだけだしということで、下着と着替えだけ用意してたら、頑丈な、音楽室にあるようなドアノブでロックするようなドアが勝手にガチャっと開きました。

もう恐怖しかなくて、彼氏の後ろに逃げ込み、動けなくなりました。彼氏がドアの先を見に行くと、真っ黒な通路の一番奥にドア、私達の斜め前にドアがあるような感じだったらしいです。彼氏は、「従業員が部屋間違えたんでしょ」と言いましたが、昨日のこともあり、正直信じられませんでした。

私が異常に怖がったこともあり、お風呂を早々に済ませ、20分で退室しました。

お盆のラブホテルは、もう一生泊まりたくないと誓った体験でした。

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