短編2
  • 表示切替
  • 使い方

死人の夢

最近、死んだ人が出てくる夢をよく見る。

昨日は、ホテルの一室で死体を見つけ、廊下に出ると、廊下の中央にかごがあり、その中に裸でうずくまるようにして丸まった人が収まっている。

もちろん、その人も死んでいる。自分はその人の周囲の水跡を見て、

「反対側のドアから出てきてかごに収まっている。わざわざ死ぬのに、こんな事をするなんて不自然だ」

としたり顔で一緒にいる人に述べている。

その前の日は、オフィス街

大勢の人が歩いている中で一人の男性が倒れている。死んでいるのは一目瞭然であった。

皆、その人の周りを避けて通っているが、全く眼にも止めていない様子だ。

自分はその人の様子を調べようと近づいて、思いとどまる。警察に通報しなければーと。

その前の日は、海にいた。

海で自分が浮かんでいると、遠くの波間に何かが浮かんでいる。

近づいてみると、それは死人が浮いているのであった。

それは邪魔だなと思っている。

ここまでの夢を友人のKに話していたとき、

Kが言ったことが怖かった。

「それって、最初は遠くで発見して近づいていくが、そばにはよらず、

 次は、近くで発見して近づけず、

 昨日の夢はだいぶ近くまで行っている。

 だんだん、近くなっているね」

と。

実は、今朝も夢を見た。

死体のそばで私は寝ていた。

左手に冷たい死人の感触が残っている。そこから、体中の体温が吸い取られそうであった。

何の事はない。朝起きたら、左半身の布団がはだけていたのだった。

でも、明日の夢は・・・?

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ