短編2
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のぞき

病院が借りてくれているアパートに住んでいた時の話です。

そこは新築の二階建ての1Kで部屋は広めのフローリング。風呂トイレ別で駅から徒歩5分のとてもいい物件でした。

同じアパートに同僚がいないのも気楽でした。

一階しか空きがないのが残念でしたが、院長と不動産屋の社長がお友達で、二階が空いたら移動させてくれるとのことでした。

部屋の両隣りは男の人でした。角部屋の方の男の人は私よりあとに越してきて、ご丁寧に挨拶に来てくれました。私は越してきた時、挨拶回りをしなかったので、ちょっと反省しましたが、反対側の男の人はチラッと見たとき怖そうな感じだったので、挨拶回りしなくてよかったと思うことにしました。

1年くらいで2階に空きがでて私は二階の角部屋に移りました。

それからしばらくしてからのことです。

秋も深まり陽が落ちるのが早くなってきた頃、仕事を終えて帰宅していた時、自分の住むアパートを見て、私は驚きのあまり、

「あっ!」

と声を上げてしまいました。

1階の角部屋。レースのカーテンをしめただけのその部屋には灯りがついていて、陽が落ちて薄暗い外から見ると室内は丸見えでした。

そこに住んでいる男の人は、外から見られていることには気づいてないのでしょう。私だけでなく、そこを通っている全ての人に見られているのに。

男の人は壁に耳を当てて隣の部屋から聞こえる音を盗み聞きしているようでした。

隣の部屋は以前私がいた部屋です。因みに今はカップルが住んでいます。もしかして、私もされてたのかなと思うと、ゾッとしました。

もう一つ他の話。そこのアパートは(上記と同じ)塀がなく、敷地内は誰でも出入り自由でした。

ある日のこと。夜遅くに帰宅した私は、何気なくアパートの一階を見て息を呑みました。

一階はベランダはないけれど、大きな窓があってそこから外に自由に出入りできるようになっています。シャッターがついていますが、外に灯りがもれていたので、シャッターはおろしていなかったのでしょう。

カップルが住んでいる部屋の窓の前で、少し屈んだ男の人がいました。

カーテンの隙間から中を覗いているな。とおもいました。

ゾッとしながらも気づかないふりで通り過ぎ、窓とは反対側にある階段を上がって、部屋に入りました。

Concrete
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