短編1
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夢の話

娘の友人Aさんが体験した話です。

ある夜、Aさんは夢を見ました。Aさんは夢の中で母親の鏡台の前に立っており、鏡台についている引き出しを上から順番に開けていったのだそうです。

一番目の引き出しは何もなし、二番目も同じ。

そして、三番目の引き出しを開けると、そこには見たこともない人形が一体、入っていたのだそうです。どのような人形なのかは、娘がAさんから聞いていないのでわかりませんが、Aさんにとってその人形は一度も見たことがない人形だったそうです。

Aさんは気味が悪くなり引き出しを閉め、そして、目が覚めました。

翌朝、Aさんが母親に夢の話をすると母親も気味悪く思ったのでしょう、Aさんと一緒に鏡台の引き出しを確認することにしました。すると、三段目の引き出しに、Aさんが夢の中で見た人形と同じ人形が入っていたのだそうです。

Aさんの母親もその人形には見覚えがなく、なぜ、引き出しに入っていたのかもわからないと言います。Aさんの祖母に訊いても、祖母もその人形は見覚えがないとのこと。

Aさんの家族誰もが見覚えがなく誰の物かもわからない人形。そして、夢と同じく引き出しに入っていた人形。

得体のしれない薄気味悪さを感じたAさんと母親と祖母は、お寺に人形を持っていってお祓いをしてもらったそうです。

Aさんは怖い話やホラー映画が大好きだそうですが、人形ものはちょっとね・・・と娘に話していたそうです。

Concrete
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