中編3
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不思議な話

S君が面白い話を持ってきた

カメラマンとして色々な人と接触してるからたまに面白い話を持ってくる

社交性の広さと顔の広さで色々な業界の人との仕事で知り合っている

「先月な、ある元軍人の人とのインタビューでカメラマンとして同席したんだよ

その人はな、元旧海軍の人でもう年は90歳を超えている

でもな、やはり軍人出身なのか言葉や態度はシャッキとしてた

とても90歳を超えてるとは思えなかったよ

それでな・・・」

S君の話だと

当時、この日本を統治していた司令官の話

その司令官が若いころ、見習い少尉としてアメリカから父親と一緒に来日していた

もちろん日本のことを知るために

当時の日本軍の将軍や政治家などと面会をしている

ある日本の金持ちの晩餐会で司令官とその司令官の父親が招待された

晩餐会も中盤になったときに

2人のアメリカ人将校がやってきた

父親がそれに気づいて若き司令官に「粗相のないように」と小声て注意した

父親と若き司令官は咄嗟に敬礼をした

相手の方もすぐに返礼してきた

階級を見ると

少将と恐らくその少将の部下だと思うが大佐の階級章だった

それを確認して

もう1度敬礼をした

若き司令官は「閣下」とさらに敬意をこめて挨拶をした

ところが

その少将は

若き司令官に

「元帥閣下」と言ってきた

その大佐も「閣下」と言い両者とも直立不動で敬礼をした

2人はびっくりした

はっきりと「元帥閣下」と聞こえた

父親はびっくりした顔で

「息子はまだ軍に入ったばかりで見習いの者です「元帥」とは全然違います」と緊張した口調で少将に言った

「いや・・・少し説明しにくいのですが・・・私たちは将来、そこにおられる方の部下になります

本当に光栄であります

いずれ・・・日本と戦争になります、ですがそこにおられるかたが司令官となり我が国は勝利します

閣下のおかげです」

額には冷や汗が流れていた

しばらく直立していた

「でわ、閣下、いずれ・・・逢う日まで」と言い最敬礼をして立ち去った

周囲の人々もこの光景を見ていた

ザワザワと声が聞こえてきた

(どうして、あんな見習士官に敬礼をしてるんだ・・それも「元帥閣下」って・・どうみてもひよっこだろ・・

)と周囲は騒然となっていた

父親と若き司令官は理解できなかった

一体何者なのかと話をした

確かにアメリカの紋章と階級章は我が軍のもの

制服は見たことはないが偽物のようには感じられなかった

そしてとても嘘を言ってるようには思えなかった

月日は流れた

戦後、その若き見習士官は日本を統治する最高司令官として日本にいた

司令部に新しい将校たちがやってくる

その新しい将校たちがドアをノックした

ドアを開け敬礼をした

司令官はびっくりした

とこかでこの2人に逢っている

昔を思い出そうとその2人の顔をじっと見ていた

思い出した!!!

そうだ、あの晩餐会に来た人物だ

間違いない

その当時に逢った時の制服を着ている

「君たちとはどこかで逢ってるぞ」

ところが

この2人は唖然とした顔になっていた

「閣下、私たちははじめてであります」と答えてきた

司令官はアッと思った

そういうことか・・・

「君たち、いずれ若き見習士官の私と逢うことになるよ」とこの2人に笑顔で話をした

「え!どういうことでしょうか?」と理解できない顔をしていた

「いずれな、もういい、下がれ」

「はっ!」と言い部屋から出ていった

この話をS君から聞いて

あ・・・そういうことか、と

「な!面白いだろ」とS君は笑いながら話をしてくれた

しかし、私はタイムトラベルは絶対にできないと思ってる

この話はその老人が作った作り話ではないかと思った

ネット上でもそんな話は無いから

「S君、それ作り話だろ?」

「いや、その老人は真顔で話してくれたよ、今話したのは序章だよ、その老人の話はまだまだあるんだよ、

その老人は当時の司令官から直接聞いたと話してたからね

その老人は軍を辞めてある企業の通訳をしてた人で司令官の英語を通訳していたんだよ

本当に面白かったよ、F」

にわかに信じられなかった

Concrete
コメント怖い
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