短編1
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自分がイヤだ

海はイヤだって話。あれと同じ体験をしたことがある。

私は海ん中に潜って水中を楽しんでたんだが、不意に左足をガッと掴まれたんだ。

反射的にそっちに目線をやると、真っ白な顔に死んだ魚のような目をした、呪怨みたいな男の子が私の足を掴んでニッと笑ってた。

更にその下には防空頭巾のお婆さんがいて、またその下にも人がいっぱいずらーっと黒い影の塊になって連なってたんだ。

私はとっさにこの人達は助かりたかったんだなって直感して、逆にその人達を上に引き上げた。

引っ張るのに必死で恐怖心は全くなかった。

しかし数が多いもんだか、らなかなか引き上げられない。

しかも私の力に反してその人達は私を下に引きずり込もうとするし‥。

私は意味がわからなかった。

助かれば報われるだろ?なのに何故引っ張る。

「いいから一緒に上に来いよ」

「お前もうちらの仲間になるんだ」

こんな無言のやり取りが続いてたんだと思う。

その瞬間、ふっと私の意識が途切れて、気がつくと沖にいた。

心配そうに私を覗き込むお母さんに、このことを話たらすごく怖がって、それこそ海はイヤだって言ってたけど、実は私は普段から誰と喋っててもはっ?て顔されて話が通じない人なんだが、幽霊とすら意思が通じない自分の方がイヤだなあって思った。

怖い話投稿:ホラーテラー はなむらさん  

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