短編2
  • 表示切替
  • 使い方

何か

この話は私が中学二年生の頃の話です。

当時の私は朝起きるのが本当に苦手で、朝絶対に起きるべくリビングで寝ていました。

そしていつもテレビを付けて寝ていました。

その日私はいつもの様にテレビのボリュームを程よい音量にし、ソファーで布団を被り電気を消して寝る体制に入りました。

そして目を瞑り、意識が遠のき始めた時、フッとテレビの音が消えたんです。そして直ぐにもう一度付き、そしてまた消えました。

途端に意識が戻る私。一回消えるならまだしも、もう一度付くなんて事あるのか?そう考えていました。

リビングに入ってくるドアの音や、誰かの足音なんかしていません。

私は元々ビビり気質なので、その時点で目を開けるのを躊躇いました。

不気味な静寂が続きました。

その静寂を破ったのは、キッチンの方向から聞こえた、手拍子?の様な音でした。

全身に嫌な汗と鳥肌が立ちました。

そしてもう一度その音がしました、さっきより近くから。その合間には何かを引きずる様な音がしました。

そしてまた。暗闇にいる何かが一歩一歩近づいてくる様でした。瞼の裏にその何かの姿形を想像し1人泣きそうになっていました。

そして私が被っていた布団に何かが触れたんです。人間の足の様な何かが。余りの恐怖に全身が動かなくなりました。

そして気がつくと朝になっていました。服は汗でびっしょりと濡れていました。

未だにそれが何だったかは今でも分からないままです。

Concrete
コメント怖い
0
1
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ