短編1
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緋色の白兎

 夜闇に跳ねる、白兎。

 鼻歌交じりにぴょん、ぴょん、ぴょん。

 餌を見つけてぴょん、ぴょん、ぴょん。

 餓えには勝てない性分で。

 手当たり次第に貪り食べる。

 どうやら満足したようで。

 食いかけ残して大あくび。

 残りは無視して踵を返し、

 自由気ままにぴょん、ぴょん、ぴょん。

 汚れまみれも気に止めず、住みかを目指してぴょん、ぴょん、ぴょん。

 後に残った食いかけは、

 ハエの餌になりました。

 ブラウン管から漏れ出る殺人事件の報道を聞きながら、ひとりの女は昔話をするかのように、楽しげに

 ……とさ。

 そう呟いた。

Concrete
コメント怖い
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