短編2
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口裂け女③

少女は恋をしていた、

だが少女は、自分は醜いと思い込んでいた。

思春期ゆえの、吹き出物が彼女の顔には、いくつもあり、育ち盛りの体は、栄養を蓄えようと、彼女を太らせた。

「これじゃ、告白も出来ないや…」

内向的な少女は、うつむいて歩くようになっていた…

ある夜、少女が家へと帰る途中、路地裏に見慣れない看板をみつけた。

看板には、

(恋占い)

そう書いてあった。

恋に悩む少女は、引き寄せられるようにその店へ入って行った。

店に入ると、一人の女性がいた。

一見、美しいようだが顔には大きなマスクが掛けられている。

「あなた、恋をしているのね。」

女の声はとてもやさしい、

「あ…は、はい…」

少女は女の前に座った。

女が話出した、

「うふふ…、あなたは自分が醜いと思ってるのね。」

「あ…はい…」

「じゃあ、一つ話をしてあげるわ。

あなた、口裂け女て、知ってる?」

「はい…都市伝説のですよね…」

「そうよ、そしてね、その口裂け女が、この私なの。」

少女は、キョトンとしてしまう…

女の話は続いた。

「口裂け女もね、あなたと同じ、自分は醜い物だと思い続け、夜の闇をさまよっていたの。

だけど、ある時恋をしたの、口裂け女をね、(キレイだよ)て言う男が現れたのよ。

口裂け女は、男を自分の世界に引き込みたかった…

だけど出来なかった…本当に好きだったのね。

口裂け女は、もう一度だけ、男に会いたくて、男の仕事場に行ったの。

そしたら…あの人…

死んでたの…

仕事で大きな失敗をしてしまってね…

私はね、(こっちにきて…)そう言いたかったけど、断られるのが怖くて言えなかった…

だけど、あの人…

私の所に来てくれた…。」

少女は、恐々と女に訪ねた。

「じゃあ…そのマスクの下は…」

女は、優しく笑いながら、ゆっくりとマスクを外した…

少女は息をのんだ…

女の口元の美しさに、少女は息をのんだ…

「恋の力は、全てを変えるのよ!」

そして少女をみつめ、

「あなたが、綺麗か綺麗じゃないか、聞いてごらんなさい。」

と、少女の後ろを指さした。

そこには、ヒョロリと背の高い色白の男がいた。

少女は、

「あの…私…綺麗ですか?」

そう男に尋ねた。

男は優しく笑い、

「ああ、とても綺麗だよ。」

そう言うと、静かに消えた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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