短編2
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言い伝え

母方の祖母の家には言い伝えがあります

『再会』の続編だと思いつつ御覧下さい

12歳で怖い目にあった私は、その夏左目に怪我をしました

それまでにも、傷痕が残るような怪我はしていましたが、この時の母の慌て様はいつもとは全く違うモノでした

その時、本棚の前で座って本を読んでいた私は、本をしまう為に立ち上がりました

棚の上部の観音開きの扉が片方だけ開いており、ガラス戸の下部に立ち上がりざま顔をぶつけて怪我をしたのです

しかし、扉を開けた覚えがなく…本は棚から出しっぱなしの物を手に取っただけでしたから

縫うほどの怪我ではなかったものの、目蓋は腫れて目が開けられず…痛み止めを飲み早々に眠ってしまったようです

その夜に夢をみました

丘の上が白く燃え立つように空気が揺れて、何か大きな生き物が現れたのを見上げている私に、ソレはゆっくりと丘から降りて近づいてきたのです

馬でした

白と灰色の毛並でとても大きな…

馬は正面に立ち私を見下ろしていましたが、何か鈍い音がしたと思うと倒れてしまいました

左目に矢が刺さっていて右側に貫通している矢尻をみて、急に怖くなり目が覚めました

母親に話すと驚いた様子で

『その話を…なんで?』と言うのです

何か様子がおかしいので慌てて続けて話しました

『いやあ、夢だけど!ホントびっくりした。ズシャって倒れて…目が怖かったし』

その日はそれ以上話しませんでした

傷痕と痛みが落ち着いたある日の事、母が言い伝えについて話をしてくれたのです

話は次のようなものでした

昔、○出家には立派な馬がいたと言うが、その馬は頭が良くまるで人のような意思を示して、人を選んで態度に示すような事も普通にしていたと…

普通の馬でも多少同じような事をするだろうけれど、その馬は家中で恐れられ敬われていたようです

ある時、跡取り息子が自分を乗せようとしないその馬を生意気に思い、馬に向かって矢を放ち、当たった場所が左目で…その傷痕がもとで生き絶えたと言うことです

それ以来○出家では男子が絶えてしまい、女の子しか育たないので婿を取っていると…

家は段々と傾いて行き、ある時に僧侶に相談した所『呪は馬のものですね』と言い当てられ、祖母の実家では対策に悩んだそうです

僧侶は次のように言っていたと伝わっています

続く

怖い話投稿:ホラーテラー フクさん  

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