中編3
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お世話になりました。

初投稿です。

今から約9年前にあった体験を書きます。

我が家は私がお腹の中にいる時に父親が死んでしまい父親の記憶が無く母1人子1人の母子家庭でした。

オカンも中学の時に親が死んでしまったらしく、家の家系は短命らしくオカンと私のみ。

オカンも自分の母親、俺の婆ちゃん。以外の顔は知らないままに過ごして来たらしい。

中学3年生の頃の話です。

オカンは飲食店を切り盛りし、私はロクに学校も行かずに朝は知り合いの鉄筋や鳶の仕事をし、夕方から部活に参加。その後は母親の店を手伝うか悪友と遊ぶ毎日。

決して学校が嫌な訳でも無ければ家が不自由だった訳でもなく

ただ部活以外の学校に興味が無かったから。

9年前、中3で遊び盛りの自分達はよく喧嘩や窃盗、暴走行為等を繰り返しては馬鹿ばっかりやっていました。

親譲りで昔から霊感が強く人では無いものが見えたり

バイクで走っていると地面から人が生えていたり、明らかに悪い空気?を醸し出したものに夜中に追い掛けられたり、気付くと家の中に呼んでいたりという事も多々有ったのですが慣れていたので気にせず日々過ごしていました。

そんなある日、夜中に家に帰ろうとマンションの玄関前に背が高く全身黒づくめで黒のロングコートを着てハットを被った老人?中年男性?が立っていました。

これが3月の話なので

今になって冷静に色々考えれば怪しさ100倍でした。

馬鹿な私は全く気にしてませんでしたが…。

うちのマンション、オートロックだったんですが

「暗証番号忘れた人なんかな?」とか特に不審に思わず普通に会釈してその日は帰ったんです。

(自分で言うのもなんですが飲食店の息子なんで愛想は良い方です。)

それからというもの、毎日マンションの玄関で見かけるようになり、その後も何故か私は不審に感じる事は無く会釈しつつ「こんばんわ~」とか挨拶してました。

するとある日、母親の飲食店を閉店まで手伝い、車で帰ると何時ものように中年男性?がいるので

これまた何時ものように「こんばんわ~」と挨拶しているとオカンが

「アンタ、何しとん?」と言われて、初めて気付きました。

「あぁ、この人違うんや。」という事に。

オカンに言われるまで、完全にマンションの住人やと思っていました(馬鹿)

ここでフッと

「俺よりオカンの方が霊感強いのに何で見えてないんや?」と違和感に気付いたんですが特にそれ以上考えず。

ただ、その次の日から、その男性に対し注意深くするようになったのですが急に挨拶を止めるのも何か感じが悪いので挨拶をすると何やらモゴモゴと喋っているのに気が付きました。

なんや?と思ったんですが声が全く聞き取れなく、その後も毎日挨拶はするものの向こうはモゴモゴと口が動いているだけ。

悪いイメージは感じなかったので特に気にせず10日ほど立った時

朝の8時、家のチャイムが鳴りました。

たまたま起きた。と言うよりは、言い表せない

嫌な予感で飛び起きるように自分が出ると

私服の警察官でした。

「○○君やね?」と聞かれて色々と察した自分は、ただただ「はい。」としか言えず。

そのまま連れて行かれ

ました。傷害罪でした。

その日、調書を取られ

留置所に入れられた夜、色んな事を考えていまい、なかなか寝付けず、ようやく眠りに付いたころ

夢の中で私は自分の家に帰ってました。

当たり前のように家の玄関の暗証番号を入力しドアを開けようとした瞬間

黒づくめの男性が出てきて

僕の前に立って目の前で囁きました。

「だから気を付けろって言うたげたのに。」

って。

それから9年の日が立ち、ヤンチャな事は卒業し地元を離れて1人暮らしをしていますが、何事もない毎日を過ごしているからか特に黒づくめの男性は出てきません。母親に聞いても、そんな人は記憶にないようです。

あの人は一体誰だったんでしょうか。

長文、駄文にお付き合い頂き有難うございました。

怖い話投稿:ホラーテラー うたまるさん  

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