短編1
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報酬の価値

女は、俺の体をさすことになんの躊躇も見せなかった…

血だ…赤い血が俺の目に焼き付いた。

女は表情ひとつ変えず俺を見つめる。

なるほど…任務を遂行させる為には、余計な感情は必要ない訳か…

さすがプロだ。

だがこれでよかったのかもしれない。

俺が犠牲になれば、この組織から少しは貰えるだろう。

それで、母さんの…母さんの胃腸を治してあげられるかもしれない…

この女も、任務遂行の報酬を貰えるはずだ。

血を必死で押さえなが俺はこんなことを考えていた…

感情がない口調で女は言う。

「終わりよ…」

ふっ…終わりか。

随分呆気ない幕切れだったぜ。

女だって好き好んでこんなことをやってる訳じゃないんだろう。

俺は、最後に精一杯の強がりを言ってやった。

「心配するな…こうなることは始めからわかっていたんだ…」

女から報酬のヤクルト3本を受けとると、

俺は献血のバスを後にした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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