中編4
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修道イン13

「終わったかな?」

「いけたやろ!」

「大丈夫じゃないっすか」「この人どうします?」

俺達は恐る恐る聖縄から出てみた

奴の気配はない

何かが起こりそうな感じはない…

浄化は成功したようだけどこの老婆は誰?奴の下僕?生気を失ってぐったりしてる…

「お前ら老人にやりすぎちゃう?」

「そんな…」

「ナイフ持った鬼婆ですよ」

(たしかに)

「あなたは誰ですか?何故ここに?」

「……」

「……」

「……」

返事しない

「どうするよ?ほっとく?」

「警察か?」

「神父さんに聞いてみたらどうですか?」

「なるほどね、電話してみるか」

俺達はとりあえず老婆を連れ修道院の外に出ることにした

所持品検査後に老婆を教会号の後部席中央に乗せ後輩達を両脇に座らせた

俺は神父さんに修道院での出来事を話した

成功したことを心から喜んでくれている

その老婆は教会まで連れてきてほしいとのこと

(マジか…3時間もこの人とドライブ…体臭もキツイぞ…)

俺達は神父さんの指示に従い老婆を乗せまっすぐ教会への帰路につく

1時間ぐらい走ったころか老婆が突然口を開いた

「アリガトウ…」

「あなた達の力のおかげです」

(はぁ〜?)

「なんでですか?」

「あなたは何者なんでですか?」

「私は元々はあの修道院で神に仕えておりました…」

老婆は今まで溜まっていた何かを吐き出すかのように話し出した

「私はあの男に襲われた女の1人です」

(守ってなかった?)

「男が現れたイヴの夜から院内は大変な事態になっていったのです」

(それは俺達も見たが)

「小屋で暴行された私は院内の診療室に入院していました」

(あれは貴女だった!生きてたんだ!)

「院内では毎夜毎夜、不可思議な現象がおこってるようで、哀しみに満ちたミサが毎日続いておるようでした」

(やってたな‥)

「私が自室に戻れるようになった3週間後には、すでに何人ものシスター達が院を去っておりました」

「事件の為、新年の行事も中止されるなか、日に日にあの男の霊障がエスカレートしていき、皆、院を去る一方でした」

(解決策なかったの?)

「夏前には廃院の話が出て雪の積もる前には全員退去することに」

「私は反対しました、負けを認めることになると」

(それもわかる)

「冬前には院は閉鎖されました」

(廃院まで早くない?)

奴の行為が余程のものだったのだろう

「閉院と同時に私は教会からさりました」

「でも、あの男には屈さないと、年に数回、一人で院に通い祈りを続けました」

「しかし、あの男は死んでから私の前には一度も現れなかったのです」

「そんな生活を10年ほどしたある日、ふと(あの男も天に召されたか?)考えながら院にてお祈りをしておりました」

「すると男が小屋跡の小山から浮かび上がり」

「アリガトウと」

「でも私は恐ろしくなりその場から逃げ出しました」(よーくわかるよ)

「しかもその後は、行たびに男は浮かび現れ、アリガトウと言っては消えていきました」

「いつしか私は、この人をなんとかしてあげないと!使命感にとらわれてきたのです」

(あんなことされてか?)

「埋めてあった箱も私が掘り返し、院内へ運び込みお祈りを捧げていました」

「さすがシスターはちゃうね〜」」

友人が口をはさむ

「わかったよ、ようはあんたは奴に騙されたってことやろ?」

「30年間お疲れさん!」

(その言い方はないだろ!)

「騙されてもよかったのです」

「なんでよ?

「私は一人でも迷える者の手助けができればと…」

(清い人だ…)

「で、なんで邪魔したん?」(つっこみ早っ)

「あなた達が来た昨日、私も院にいたのです」

(えぇっ?)

(マジ?)

「あなた達が逃げ出してすぐに男が現れました」

「タスケテ…」

「私がなんとかしなければ!もう善悪の区別はつきませんでした…」

(嘘をついている感じではないが…)

シスターはいつしか奴に好感をいだきだしたのか?

(まさかな)

ただどこまでも清く真っ直ぐな人だったのか?

話が事実なら彼女は30年間一人で戦っていたのだ

純粋なる無償の愛だけで…

「今日、あなた達が来てお祓いを始めた時に確信しましたよ」

「あなた達はヨウカイタイですね」

(妖怪隊?)

「なんやそれ?」

「……」

意味不明である

「おっ!明るくなってきたな、やっぱり夜明はくるんやね〜」

(当たり前だ!)

夜が明けた

長い夜が終わる

AM5:00

教会に無事到着

神父さん達が出迎えてくれるた

(その衣裳は!)

昨夜の儀式と同じ服装ではないか!

神父さん達は夜通しお祈りをしてくれたのか?

(胸が熱くなる)

神父さんが老婆に優しく手をさしのべた

「やはり貴女でしたか」

(知ってたの!?)

「……」

「……」

「さぁ、中へお入りなさい」

老婆は無言のまま他の神父さんに付き添われ教会に入っていった

(どうなる?)

「お疲れ様でした、あながたも中でお休みになったほうがよいですよ」

俺は先ほどまでの出来事を神父さんに話したくてたまらなかった、聞きたいこともある

が、まずはは休みなさいと言われ、また教会で仮眠することに

俺は興奮気味で寝付けない

「起きてるか?」

友人に話しかけてみる

「グゥ…」

(もう寝たか?)

気づくともう昼過ぎになっていた

(いつの間にか寝たんだ)

「ねぼすけくん起きた?」

(お前は速攻寝ただろ!)

「はよ顔洗ってこいや、集合だぞ」

(集合?)

「もう、みなさん食堂にいらっしゃってますよ」

「後は先輩だけっすよ」

俺は急いで着替え食堂へと向かう

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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